■秋元康が生み出した戦う看護師『ナースエンジェルりりかSOS』

 続いては秋元康さん原作による池野恋さんの漫画『ナースエンジェルりりかSOS』。1995年1月号から『りぼん』で連載され、1995年7月からテレビアニメがスタートした。

 主人公は素直で優しい小学生・森谷りりか。あるとき、惑星クイーン=アースから来た加納から魔法のキャップを貰い、「ダークジョーカーから世界を守るためにナースエンジェルになって、ワクチンの源となる命の花を探して」と託される。

 同作は、テーマが「生と死」「命」のため内容がシリアスで、特に最終回に向けてどんどん悲しい展開になっていった。

 探し求めていた命の花はなんとりりかの中にあり、世界を救うためには命を犠牲にして命の花を取り出す必要があったのだ。最終回、りりかは自分の誕生日に自ら命を捧げた。だが、厳密にはその後「生きてる」と言って目を覚ますので死んではいない。

 とはいえ、小学生に「命を捧げて」と告げるのはかなりハード。当時のヒロインものはハッピーエンドが多かったため、この展開はかなりの衝撃を与えた。

■見習い魔法使いが繰り広げるドタバタコメディ『赤ずきんチャチャ』

 最後は、彩花みんさんによる漫画『赤ずきんチャチャ』。1992年7月号から連載がスタートした同作は、世界一の魔法使いセラヴィの弟子で、おっちょこちょいなチャチャとその仲間たちが繰り広げるドタバタ学園コメディだ。

 同作はギャグ要素が強く、毎回何かしらのクスっと笑えるハプニングが起こる。キャラたちの個性や可愛さも相まって、人気が高い漫画だった。

 ただ、1994年から放送されたアニメ版と原作漫画では内容が全く違い、原作でチャチャは変身しない。スポンサーの意向による追加要素とも言われているが、アニメ版のみマジカルプリンセスとなって迫りくる悪と戦う設定になっている。

 チャチャの変身は単独ではできず、リーヤの持つ勇気の腕輪としいねちゃんの持つ希望の指輪の力を合わせる必要があった。変身後に大人の姿になったりギャグ漫画なのに戦闘シーンがあったりすることで当初はアニメ版の賛否が分かれたが、大魔王を倒してからは原作に近いギャグ路線に戻っている。

「変身ヒロイン」や「魔法使い」が登場するアニメには、普通の女の子がアイテムによってキラキラ輝くヒロインに変身するというワクワク感、おしゃれで可愛い変身シーンなど、乙女心を惹き付けてやまない魅力が詰まっていた。大人になった今でも、変身アイテムや変身シーンを見ると胸が高まるのは筆者だけではないだろう。

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