■バトルからギャグまで、さまざまなジャンルをこなす
2015年には、ドラマ『デスノート』(日本テレビ系)で、2006年公開の映画版で松山ケンイチさんが演じた、変わった風貌の世界的な名探偵・L役に抜擢される。そこから、2016年以降は少年漫画原作作品にも多く出演し、イケメンキャラだけでなく、さまざまなジャンルの変わったキャラも演じている。
2017年に立て続けに公開された映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』と『斉木楠雄のΨ難』ではどちらも主人公を演じた。
ともに『週刊少年ジャンプ』連載漫画で、原作ファンには男性も多い。『ジョジョ』では昔ながらの不良学生の風格漂う東方仗助を、『斉木楠雄』では基本的にはいつも無表情のピンク色の髪の超能力者の高校生・斉木楠雄を演じた。
これらの作品への出演で「山﨑賢人はバトルやコメディ作品にも向いている」ということが広くお茶の間に知れ渡ったのではないだろうか。特に『斉木楠雄』の特報映像では「山﨑賢人、実写やりすぎじゃね? と思いましたね。あなたの考えることはお見通しです。なぜなら僕は超能力者だから」という自虐ふうモノローグが笑いを誘っていて親近感を感じさせた。
そして彼の飛躍は2019年から現在まで3本の映画が公開されている『キングダム』につながっていく。作品自体の完成度もさることながら、演じる主人公の信の壮大な物語は、老若男女を夢中にさせている。山﨑さん本人も、信を演じるにあたり10キロもの減量を経るなど、作品にかける情熱も一級だ。
もはや彼の演じるキャラクターに夢中になるのは若い女性ばかりではない。おそらく『キングダム』が山﨑さんの一番の当たり役と言っていいだろう。
山﨑さんの実写化作品での活躍については、映画監督から好意的なコメントを集めることも多い。
『キングダム』の佐藤信介監督は山﨑さんについて「山﨑さんは飛び込んでみたらのびのびと、大らかに、自由にやられている。そうした、理屈を超えられる力がある」「大きな岩に穴を開ける感じ」「こちらの意図を無視しない律義さもある」と評価する。実写化作品への取り組み方も、各作品の監督を唸らせるほどだ。実際、『四月は君の嘘』では、あて振りではありながらクランクインの6か月前からピアノの練習に勤しんだという。
『ゴールデンカムイ』は2024年1月19日に公開予定。どのような主人公・杉元佐一になるか、公開を楽しみに待ちたい。