恋愛漫画には、ヒロインに恋をするも実らない「当て馬」的な男子キャラがたびたび登場する。逆にヒロインと相手男子の絆を深める刺激的な存在となる彼らだが、男子だけではなく、「当て馬」的な立ち位置の女子キャラが登場することもあった。
そこで今回は、少女漫画の黄金期をけん引した人気雑誌『りぼん』から、80〜90年代の印象的な当て馬女子キャラ3人をピックアップしてみようと思う。
■神谷組の一人娘『ときめきトゥナイト』神谷曜子
池野恋氏による漫画『ときめきトゥナイト』に登場した真壁俊の幼なじみであり自称婚約者だった神谷曜子は、「報われない恋をしていた当て馬女子」を語る上で欠かせない存在ではないだろうか。幼いころから俊に対して好意をストレートにぶつけ続けるが最後まで振り向いて貰えないという当て馬&ライバルキャラではあれど、突き抜けた性格がウケて人気も高かった。
曜子は、暴力団神谷組の組長の愛娘で才女だ。組長はかなり曜子を溺愛していて、毎日送り迎えをするほどの過保護っぷり。そんな父親が俊を気に入っていた事もあり、「俊はわたしんちに婿養子にくる予定なの!」と周囲にも大々的に言いまわっていた。
性格を簡単に言えば、一途・パワフル・素直。恋敵の蘭世を目の敵にして常に激しくぶつかり合っていたが、少女漫画の片思い女子にあるあるな湿っぽい雰囲気が一切ない。ヤキモチを焼けばわかりやすく邪魔をするし、取っ組み合いの喧嘩をして蘭世を倒すほどにたくましいのだ。ゆえに、俊を巡る三角関係も見ていて楽しいものであった。
負けん気の強いタイプだが、内面は女の子らしく繊細なところもある曜子。情にも厚く、物語が進む内に蘭世との絆が深まり最終的には俊との事も認めていた。
曜子は人間だが、事あるごとに魔界のトラブルに巻き込まれていく。一時はアロンによってヨーコ犬に変えられた上に、蘭世捜索にも駆り出された。第1部では記憶のないままに自分が犬になっていたが、第2部では蘭世の結婚式で魔界の想いヶ池のブーケをやけ食いして自らヨーコ犬を産んでいる。