初代ドラクエをプレイした息子に「昭和カオス」と吐き捨てられて早1年……。実家の押し入れから取り出してきたファミコン版『ドラクエ2』と『ドラクエ3』を手にし、リベンジ(なんの?)の機会が整った。
PS4の『原神』にハマっている息子だけに、今さらファミコン版を渡すのも、ちょっと勇気が必要となる。いや、真の勇気とは打算なきもの……。“まぞっほ”が背中を押してくれた気がするので「ちょっとやってみない?」と、高校2年生となった息子に話しかける。
さて、現役高校生がファミコン版ドラクエ続編をプレイしたらどうなるのだろうか。
■交渉決裂か? 「今さらファミコンなんて…」お年玉で打算してしまい“2”を選択
「いや、いいわ」いきなりの“マホカンタ”だ。なぜだ息子よ! 幼少期に抱っこをねだって可愛かったころを思い出してしまう。「だってファミコンはもういいよ」う〜ん、こう言われてはどうしよう……。
まあ、確かに現役高校生にファミコンで遊んでもらうのは忍びない。スマホアプリの『ドラクエ5』は楽しく遊んでいたようなので、ドラクエ自体を苦手に思っているわけではないようである。では、お小遣い20%アップではいかがだろうか。
「いや、バイトしてるし」まさかの“バイキルト”(なんのこっちゃ)。息子は先月頑張ったらしく、給料が5万円もあるらしい。くそ、筆者よりもはるかに小遣いが多いではないか!
「それにさ、その『ドラクエ2』って難しいやつでしょ?」と、どうやらYouTubeなどで少し知っているようだ。
筆者が困っていると「じゃあ、お年玉を去年の倍でどう?」と、言ってくる。まてよ、小遣い20%が続くよりも安上がりか……などと考えていると、「クリアしたら3倍ね」と『ダッシュ勝平』ばりのキメポーズをしてくる。
くっ…、こっちが下手にでればいい気になりおって。お前は前回途中で投げ出したではないか! いや、だがしかし気になる。では、ダンジョンだけは攻略サイトを見ないという約束を交わしておこう。それなら3倍は免れそうだ。
愚か者め、“ロンダルキアへの洞窟”をクリアできるものか!と、もはや大人げないどころか打算しまくっている自分が一番愚か者だったに違いない……。
■やったことあるのか!? スムーズにムーンブルクへ到着してしまう
ゲームがスタートすると、今度は『初代ドラクエ』のように“カニ歩き”ではない。ただ、ドット絵だけに少し抵抗はあるようだ。話し方も方角を指定する仕様ではないので、あらためて見てみると続編はかなり改善されてあることが分かる。
さて、息子はステータスを開いている。「いつも思うんだけどさ……どうしてレベル1のヤツをアテにするわけ?」まさかの質問で焦ってしまう。え? いやゲームだし……と戸惑っていると、「仮にも王様じゃん? もっと強いヤツを集められるでしょ?」と。
いや、そうなんだけど……さらに返しに困っていると、さっさと買い物を済ませてロトの子孫は戦闘中だ。比較的スムーズにサマルトリアの王子を仲間にしていく。
あれ……? ちょっと疑問を抱いてしまった。序盤の難しいポイントは、サマルトリアの王子を見つけるところのはずだ。まさかの“リリザのまち”にいるので、普通は見つけにくい。よく分かったね、と言うと「え? うん」と、歯切れが悪い。もしや、プレイしたことあるのか……!? 息子よ。
そういえば、筆者のスマホで購入したアプリは共有しているので、息子も同じアプリなら無料でゲームできるのであった。ちなみにインストールしているのは『ドラゴンクエスト ポータルアプリ』。息子も1・2・3のリメイク版をゲームできるはずだ。
しばらくして“ムーンブルク地方”に到達する。もしかしてやったことあるのか? 筆者が聞くと「まあ、ちょっと。でも関係ないよね」と、サラッと言ってのけた。まずい。いくらダンジョンは攻略サイトを見ないとしても、これはクリアされてしまう可能性が高まった。
ええい、頑張れ! “マンドリル”! この地方はこのモンスターが猛威を奮うのだが、なんとか全滅を免れながらムーンブルクの王女を仲間にしていた。くそ……“ラリホーアント”のラリホー攻撃を全力で応援してしまう自分を小さく感じてしまったな。