■スケバンと忍者の融合『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』
主役である三人のスケバン「風間三姉妹」が活躍する『スケバン刑事』シリーズである。スケバンとは、ヤンキー女子高生のことで、『スケバン刑事』シリーズは、一見、ガラの悪い不良の女子高生が、刑事として学園周りの事件を解決していくという物語が基本となっている。
そんな『スケバン刑事』シリーズの中でもヒロイックに仕上がっているのが、この『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』だ。主演のスケバン3人によるコンサートも開かれるなど、『スケバン刑事III』ならではのユニークな要素が多い。
そのユニークな要素の1つが忍者要素である。風間三姉妹は風魔忍者の末裔で、父の仇である忍者集団「陰」との戦いがメインとなる。
そんな風間三姉妹の1人である風間唯(浅香唯)は、『スケバン刑事』シリーズお馴染みのヨーヨーの他、手甲や陣鉢を装備している。これにより、セーラー服と忍装束を融合させた衣装となっている。
風間結花(大西結花)の鋼鉄の折り鶴も、どこか手裏剣のような印象を感じ、和風なのも相まって、忍者的である。
『メタルヒーロー』シリーズ、『スーパー戦隊』シリーズ、『スケバン刑事』シリーズと、様々な作品に入り込む忍者モチーフ。この他にも1970年代には石ノ森章太郎さん(当時:石森章太郎)原作による特撮忍者時代劇『変身忍者 嵐』(1972年)や、7人組ヒーローの『忍者キャプター』(1976年)などといった番組もあった。
和風ファンタジーの要素もありながら、現実でも忍者体験施設が存在していて、国内からも、海外からも人気が高い日本文化だ。そんな、格好良くロマン溢れる忍者だからこそ、いつの時代も子どもたちの興味を刺激するのだろう。