「Netflix」配信4日で1850万回再生を突破! ハリウッド実写版『ONE PIECE』の見事な原作再現 “ゾロの三刀流”や“ゼフの過去”も…の画像
Netflixオリジナル実写ドラマシリーズ『ONE PIECE』初ビジュアル (C)尾田栄一郎/集英社

 2023年8月31日から「Netflix」で配信を開始したハリウッド実写版『ONE PIECE』。配信4日で世界1850万回再生を突破、「Netflix」内ランキングでは日本を含む46カ国で1位を獲得するなど、世界中でムーブメントを巻き起こしている。筆者も視聴したが、破竹の勢いも納得の面白さだ。とくに、実写だからとむやみに妥協しない原作再現の数々がすばらしかった。もちろん原作から改変した要素もかなり多いが、残せるものは残す気概が映像から伝わってくる。

 そこで、実写版『ONE PIECE』で、個人的に「これは!」と感動した原作再現シーンや要素を紹介しよう。

 

※以下には、「Netflix」ハリウッド実写版『ONE PIECE』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。

 

■ゾロの三刀流も再現! 漫画さながらの生身アクション

 本作の戦闘シーンでは、CG演出が多用されている。ルフィのゴムゴムやバギーのバラバラの能力もCGで表現しており、“悪魔の実の能力”の不気味さと迫力をうまく描いていた。だからこそ際立ったのが、役者による生身のアクションである。

 ゾロの迫力ある剣戟や、サンジの身軽かつ華麗な足技などは、まるで漫画からそのまま出てきたかのような戦いっぷりだ。

 実写化でファンから心配されたゾロの三刀流もちゃんとある。刀を口に咥える三刀流を常に行うのはさすがに難しいのか、本作のゾロは基本的に二刀流で戦う。しかし、ここぞという場面では、愛刀「和道一文字」を咥えた三刀流のゾロが三次元の世界に現れるのだ。

 全体で見れば決して数は多くないが、だからこそ貴重な三刀流アクションが輝く。第1話で海軍大佐・モーガンの喉元に和道一文字を突きつけるシーンには痺れた。

 ゾロを演じる新田真剣佑さんがハマり役なのも大きい。筋肉質な体つきやダイナミックな殺陣はいかにもゾロらしいし、なにより本人が「ゾロの刀を腰に差せて光栄だ」とインタビューで語るほどのゾロ好きなのだ。役者がキャラを演じる実写ドラマだからこそのシナジーといえるだろう。

■アニメではできなかった「ゼフが足を食べる」サンジの過去

 第5、6話のバラティエ編では、サンジの過去エピソードが語られる。なにもない岩山に漂流した幼いサンジと海賊「赫足」のゼフが飢えに耐えながら、約3カ月も救助を待ち続ける。海の恐ろしさと食べ物の大切さを思い知らされる、原作でも人気の過去編だ。

 サンジの過去編では、彼に食料をすべて与えたゼフが自分の右足を食べて飢えを凌ぐショッキングな展開がある。本作ではサンジがその事実を知るシーンで、ゼフの血がこびりついた岩がアップになる演出が入る。なんとも恐ろしい……。

 ゼフが自分の足を食べるシーンだが、実はテレビアニメ版では放送されていない。アニメでは、海難事故の際に足を失った設定に変更されているのだ。これについて作者の尾田栄一郎氏は「小さい子には刺激が強すぎるから」と語っている。

 ゼフが自分の足を食べるエピソードは確かにショッキングだ。しかし、サンジが飢えの残酷さやゼフの偉大さを知る重要なシーンでもある。2000年のアニメ放送から約23年越しに映像化してくれた実写版には、『ONE PIECE』ファンとして感謝したい気持ちだ。

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