■プロ野球選手で春夏の甲子園大会を楽しめる『究極ハリキリ甲子園』

 1992年にタイトーから発売されたのが『究極ハリキリ甲子園』だ。同社の看板商品でもある『究極ハリキリスタジアム』のスピンオフ的な作品で、シリーズの安定した面白さを継承していた。

 このゲームにはプロ野球選手たちが登場する。名選手が同チームで甲子園を戦い抜くのが魅力だった。実名選手もいれば、仮名の選手もいるのだが、プロ野球ファンなら出身地ですぐに分かるもの。

 たとえば、大阪代表の「えるぴい学えん」(モデルはPL学園)には、なつなみ(立浪和義さん)、くわだ(桑田真澄さん)、よしむら(吉村禎章さん)、きおはら(清原和博さん)、あらい(新井宏昌さん)、にしだ(西田真二さん)といった名選手が勢ぞろいしている。全員同級生であれば、普通に優勝間違いなしだ。

 ゲームには「熱血システム」が採用されていて、熱血パワーで普段のパワー以上の能力を解放することができる。また、打撃面では十字キー操作でダウンスイングとアッパースイングを使い分けることが可能で、状況に応じてわざとゴロにする進塁打や長打を狙えるようになっていた。

 春の大会と夏の大会の両方を楽しめるようになっており、春は途中で負けても大丈夫だが、夏は一度でも敗れるとゲームオーバーになるので、まさに気分は高校3年生だ。

 そしてこのゲームの最大の魅力は、エディットモードがあることだ。常に2校までしかエディットできないのだが、学校名や選手名のほか、チームポイントを振り分けて選手の能力を自由に変更できるのは楽しかったな。

 このゲームが発売された1992年3月時点では、プロ1年目を迎えるイチローさんや高校3年生で選抜でも大注目だった松井秀喜さんといった、のちの大物選手を自身の手でエディットできるのが嬉しかった。

 

 さて、大好きな高校野球の時期になると楽しみな反面、やはり夏の暑さが心配になるもの。筆者の学生時代ももちろん夏は暑かったものだが、きっと今は体感温度も比べものにならないくらいだろう。全力プレーの球児たちには、熱中症に十分気を付けてもらいたい。

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