『りぼん』『別冊マーガレット』名作少女漫画に登場した、いじらしく応援したい“性格良し”の不器用ヒロインたちの画像
「特別展 りぼん」公式ビジュアル

 2023年4月クールにTOKYOMXほかにて放送され話題となったアニメ『スキップとローファー』。現在『月刊アフタヌーン』(講談社)にて連載中の青春漫画が原作で、主人公の岩倉美津未は田舎出身ながら東京の高偏差値高校に入学。人生設計だけは完璧だが、天然でどこか周囲から浮いているという性格だ。

 そんな美津未が入学式の日に同級生の志摩聡介と出会い、少しずつクラスに打ち解けてクラスメイトらと学校生活やイベントに取り組む様子を丁寧に描いた作品である。

 同作が人気を集めた理由の一つが、美津未の不器用ながらも真っ直ぐな性格だろう。彼女が真面目に、目の前の人に対して実直に接する姿に心打たれたという人は多い。

『月刊アフタヌーン』は青年漫画だが、『りぼん』や『別冊マーガレット』で連載された名作少女漫画には美津未のように、少し“不器用”なところがある、応援したくなるヒロインの活躍が印象的だった。

■『君に届け』に『高校デビュー』

 2006年から『別冊マーガレット』にて連載されていた椎名軽穂氏による『君に届け』の黒沼爽子もその例にハマるキャラのひとりだろう。

 真っ黒な長髪と陰気な見た目で周囲から「貞子」と呼ばれ、黒魔術ができると勘違いされるほど暗く見える爽子だが、内面は超がつくほど純粋な性格で努力家。

 笑顔を作ることに慣れていないため、笑った顔が不気味で怖がられていたが、小さなことでも幸せを感じられる心優しい子である。

 そんな爽子がクラスで徐々に友だちを増やして風早君とも仲良くなっていくという、少しずつだが着実に前進していく様子に、読者はつい応援したくなってしまったことだろう。

 しかし、連載初期の爽子があまりにスレていないため、皮肉や嫌味など周囲の悪意にあまりに気づけないところは時折心配になってしまう。爽子を見ているとどこか親心が湧いてくるようだ。

 同じく『別冊マーガレット』にて2003年から連載されていた河原和音氏による『高校デビュー』の長嶋晴菜も、真っ直ぐな性格が好感が持てるキャラだ。

 中学時代は部活一筋だったため、憧れの少女漫画のように、高校生活では彼氏を作って恋愛をしようと意気込む晴菜。しかし男ウケというものがわからず、同じ高校の先輩・小宮山ヨウに「モテコーチ」をしてもらうことに。

 天然なところのある晴菜は私服のセンスも独特で、もらったアドバイスも曲解してことごとくズレた方向に頑張ってしまう。

 晴菜の空回りする様子がほほ笑ましく、また随所で見られる体育会系らしい前向きで明るさやさっぱりした性格が見ていて気持ちよかった。

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