■これぞ昭和におけるお正月の過ごし方『ハイスクール!奇面組』

『ハイスクール!奇面組』は1980年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始された、新沢基栄氏の学園ギャグ漫画だ。主人公・一堂零をはじめとする5人の“奇面組”メンバーの、ドタバタ高校生活が描かれている。

 そんな本作には「昔の正月ってこうだったよなあ」と思えるシーンが登場する。

 ある正月のこと、お馴染みのメンバーが揃って伊狩先生のアパートへ遊びに行き、着物でカルタ取りをして遊ぶ。今では高校生がカルタ取りをする光景はあまり見られないが、「カードゲーム」は昭和の学生におけるメインの娯楽のひとつだった。そういえば、昔は生徒たちが学校の先生の家に遊びに行くことも、割と普通だったように思う。

 その後、カルタ勝利者には先生の生活アイテムが送られるのだが、これらがすべて懐かしい。正座をして使う鏡台、ブラウン管テレビ、桐たんすや石油ストーブなど、昭和の生活に必要不可欠なアイテムが続々と登場する。

 当時は正月に多くの人が集まり、賑やかに遊ぶ光景が広がっていた。しかし、現代では、個々がスマホに視線を奪われ、新年を仲間と過ごす光景も減っているように感じる。それが一概に悪いこととは言わないが、奇面組の正月シーンを目にすると、“昭和ならでは”の人と人とのつながりになんだか懐かしさを覚えてしまう。

 

 漫画で描かれている懐かしのアイテムたちをふと目にすると、強烈なノスタルジアが湧き上がり、過去の日々を思い出す人も少なくないだろう。

 時空を超えて私たちの心に深く刻まれた、昭和アイテムの数々。ときどきは昔の作品を読み返し、懐かしい気分に浸るのも楽しいかもしれない。

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