『メタルギアソリッド』シリーズ、コントローラーやゲーム内時間を利用したギミックで倒す「衝撃的だったボス」3選の画像
『メタルギアソリッド:マスターコレクション Vol.1』(c)Konami Digital Entertainment

 敵となるべく戦わない、“潜入”をテーマにした斬新なプレイスタイルや、世界情勢などを交えた重厚な物語、伝説の英雄スネークを始めとする魅力的なキャラクターなどにより、「メタルギア」シリーズは今日まで世界中から人気を集めてきた。その中からMSX2版『メタルギア』を始め、『MGS1~3』、『メタルギアソリッド』をコミック風にした「メタルギアソリッド バンドデシネ』や、日本では未発売だった『SNAKE’S REVENGE』など関連作品を収録した『メタルギアソリッド:マスターコレクション Vol.1』(以下、マスターコレクション)が、2023年10月24日に発売される。

 発表からすぐにファンの間で大きな話題を集めた今作。本稿では『マスターコレクション』を記念し、『メタルギアソリッド』、『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』、『メタルギアソリッド3 スネークイーター』から、プレイヤーに衝撃を与えた印象的だったボスをひとりずつピックアップして紹介したい。

※以下には、ゲーム『メタルギアソリッド』シリーズの一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。

 

■読心術で弾がまったく当たらない「サイコ・マンティス」(メタルギアソリッドより)

 サイコ・マンティスは、リキッド・スネークが率いる特殊部隊“FOXHOUND”の隊員。リキッドによる武装蜂起に参加し、シャドーモセス島にある核兵器廃棄施設を占拠した。作中では自身の能力である読心能力とサイコキネシスを使い、主人公のソリッド・スネークと、彼とともに行動していたメリル・シルバーバーグの前に立ちはだかった。

 ボス戦では、周囲の物を浮かせて飛ばすというサイコキネシスらしい攻撃をしてくる。だがもっとも衝撃的なのは、読心能力によって行動を先読みされ、サイコ・マンティスに対してこちらの攻撃がほぼ当たらないことだ。

 銃を乱射すれば稀に当たるものの、その前に弾が尽きるし、なにより時間がかかる。つまりなんらかの対処法が求められるのだが、その方法のひとつが、コントローラーの端子を1Pから2Pに差し換えるというものだった。実際、戦闘中に何度か無線で助言を求めていると、スネークをバックアップしているロイ・キャンベル大佐から、「コントローラをコントローラ端子2に差すんだ。そうすれば、奴は君の操作が読めなくなる」と言われる。

 コントローラーの端子を2に差してみると、それまでの苦戦が嘘のようにこちらの攻撃が通る。家庭用ゲーム機を遊ぶ上で欠かせないコントローラーを利用したギミックは、ゲームと現実をつないでいるという点で“第四の壁”を破るようなメタっぽいネタ。硬派なゲームではやや浮いているようにも思えるが、ハードボイルドとコメディが合わさった不思議な作風は、「メタルギア」シリーズのおなじみだったりする。ほかにも、チャンネルを勝手に切り替えて「ヒデオ」にしたり、コントローラーを念動力で振動させたり、メモリーカードにあるセーブデータを読み取ったりと、ユニークな仕掛けがたっぷり詰め込まれたサイコ・マンティス。

 ちなみに、なんらかの事情で2P用の端子が使えない場合、キャンベル大佐から室内にある銅像を破壊するように薦められる。銅像を破壊するとサイコ・マンティスの集中力が削がれ、コントローラーの端子を切り替えたときと同様の効果が得られるという仕様だった。

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