■テレビタレント勢ぞろい『爆笑!スターものまね四天王』
他にマニアックなところでは1990年にパックインビデオから発売された『爆笑!スターものまね四天王』も珍作として紹介したい。
こちらは当時のものまね番組で「四天王」と呼ばれた清水アキラ、栗田貫一、コロッケ、ビジーフォーの4組をプレイヤーとして使用するゲームで、資産ではなく、すごろく式に全国を巡って「自分のファン」を増やしていくというゲームシステム。他のプレイヤーと同じイベント会場でものまね芸をすることで、他の人のファンを奪うことができる。資産が自分依存ではなく土地依存だというのもユニークな点だろう。
『さんまの名探偵』『ラサール石井のチャイルズクエスト』『所さんのまもるもせめるも』などなど、ファミコン時代は数多くのタレントゲームが発売されたが、今作もその例のひとつ。「せんまさ(千昌夫)」や「しまちよ(島倉千代子)」「なかふち(長渕剛)」などのものまねレパートリーとして登場し、「あわや先生(淡谷のり子)」が審査をしてくれる豪華な作り。他にもファンを獲得するためのものまね芸を、特定のマスに止まることで覚えることができたり、ファンの数以外にも順位を変動させる要素があったりと、ボードゲームとしてのルールも異色だった。
ゲームとしてはやや単調ではあるものの、ミニゲーム対決の「スポーツ大会」や、トーナメント対決の「ものまね王座決定戦」といったイベントも豊富で、逆転要素やアクション要素もある。他のボードゲームの例に漏れず、友情破壊な駆け引きが楽しめるタイトルと言えるだろう。
他人を妨害するのが主要な勝ち筋となるボードゲームでは、友だちと喧嘩になることもしばしば。友情破壊ゲームの元祖ともされる『ドカポン』シリーズもボードゲームだ。とはいえ“雨降れば地固まる”。たまにはボードゲームで無礼講してみるのも良いコミュニケーションだ。