■「定番の凄み」を感じた桝田省治が新作で何を「仕掛ける」のか

 さて、そんな桝田省治さんが手がけるのが今回の『桃太郎電鉄ワールド~地球は希望でまわってる!~』。制作総指揮はおなじみのさくまあきらさんですが、監督となった今回は桝田さんの関わり方がより大きくなっていることが予想されます。

 前作の制作時に「定番の凄み」を感じたという桝田さんが、新作でどんな「仕掛け」を用意しているのか楽しみでなりません。

 実は2010年にニンテンドーDS用ソフトとして『桃太郎電鉄WORLD』というタイトルが発売されているのですが、今作はまったくの別物と考えて良いでしょう。現段階で発表されている要素だけでも、モンゴルで相撲したり、新ボンビーとして「世界旅行ボンビーが」登場したり、また移動系カードが「プロペラカード」「ジェットカード」など、飛行機にまつわるものになっているのもポイントです。

 これだけ世界が広くなっていたら、桝田さんが遊びの手を加えやすくなっていることでしょう。

 桃鉄は最大難易度のCPUと戦う、心のないコンピューターだからこそ極限まで嫌がらせができるのが面白いと思っている私のような人にとっては、もはやパーティーゲームではありません。ストラテジーゲームに近い何かです。カードゲームともいえるかもしれません。

 そうした1人用ゲームという側面で考えたとき、桝田さんは何か非凡な仕掛けを用意してくれているはずなんです。

 久しぶりに桃鉄をやりたいと思っているそこのあなた。もし一緒にプレイする人がいなくても、大丈夫です。桝田省治作品ならきっと、狂気的な明るさと「想像を裏切る何か」を味わえるはずなので、桃鉄をぜひプレイしてみましょう。今公開されている情報がすべてだとは絶対に思わないほうが良いです。

『スーパーマリオRPG』に『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』など今年の秋から冬にかけてはSwitch系の注目作がゴロゴロ登場しますが、『桃鉄ワールド』もその一つ。2023年の締めくくりにぜひみんなでプレイしてみませんか。

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