どうも、ゲーム芸人のヤマグチクエストです。大人気ボードゲームシリーズ『桃太郎電鉄』の最新作『桃太郎電鉄ワールド~地球は希望でまわってる!~』が2023年11月16日に発売されることが発表されました。
前作となるNintendo Switch『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』では、桃太郎たちだけでなく貧乏神も含めてキャラクターデザインがガラッと変わって新たなスタートを切り、大ヒットを記録しました。
その前作で副監督として制作に関わっていたゲームデザイナーの桝田省治さんが、新作『桃太郎電鉄ワールド』では監督を務めています。
『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』では、キングボンビーの最終形態?であるデストロイ号や各地のお助け(一部おじゃま)キャラに加えて偉人イベントも追加され、戦略の幅が広まりました。
ボードゲームのなかでも桃鉄は運の要素がそこまでなく、実は知識の有無が勝敗に大きく分かれる「実力ゲー」であり、家族や友だちとプレイする際には意外と「ワイワイ」プレイができないという、かわいらしい見た目とは裏腹な「非情さ」を含んでいることは、ゲーマーにとっては常識ともいえます。
そんな「非情さ」と「面白さ」を「ゲーム」でどう表現するか、ということを考えさせたら桝田省治さんの右に出るものはいないでしょう。ということで今回は、桝田さんがこれまで作ってきたゲームについて、私ヤマグチクエストが書いていこうと思います。
■ゲームの魅力を感じさせてくれた桝田省治作品のすごみ
『桃太郎伝説』や『天外魔境』などの制作に携わったあと、『リンダキューブ』を作った際に「王道的なシナリオを書いていて、ストレスが溜まっていた」という旨の話をしている桝田さん。
私は『リンダキューブ』を初めてプレイしたとき、そのシナリオA.B.Cで描く「想像を裏切る仕組み」と「ゲーム進行にも自然になじんでいる物語」に衝撃を受けました。ドラクエのような王道的なシナリオというものが大好きだった私にとって、ド肝を抜かれすぎて訳が分かりませんでしたが、突如現れるその狂気的な明るさも桝田作品の特徴かなと感じました。
その後の『俺の屍を越えてゆけ』でも、非常に重い導入のシナリオから始まって、ちゃんと裏切られて、夢中でプレイした先でたどり着いたEDはとびきり明るくて、「桝田省治は一体どんなメンタルでシナリオを書いているんだ……」と畏敬の念を抱きました。
このときまで、「RPGとはドラクエである」と思っていたほど、あまり多くのゲームに触れていなかった当時の私にとって、RPGってこんなに表現の幅があるのかとRPGの魅力に気づいたのは桝田省治さんの作品をプレイしたことがきっかけでした。
私はテレビ東京系のゲーム番組『勇者ああああ』で『リンダ』『俺屍』の2本を紹介したことがあるのですが、そんな衝撃を自分と同じような少年に味わってほしいと願ったことが理由でもあります。作品に王道的なイメージがあればあるほど、桝田さんのゲームをプレイしたときの感動は大きくなることでしょう。