■今度のチョコボは“隕石”も落とす!…『FINAL FANTASY TACTICS』赤チョコボ

 1997年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたPSソフト『FINAL FANTASY TACTICS』は、ご存じ『FF』シリーズ初のシミュレーションRPGということで大きな話題となった。

 本作にも歴代の『FF』作品に登場したお馴染みの雑魚キャラクターが数多く登場するのだが、なかでもプレイヤーたちにある種の“トラウマ”を与えた存在といえば、物語後半から登場する赤チョコボだろう。

 チョコボといえば、シリーズでもおなじみの大きな鳥の姿をした生物で、主人公らのパートナーや乗り物として活用されるなど、一般的にはプレイヤーに対し友好な立場のキャラクターとして登場することが多い。

 一方、本作では名前の通り“赤一色”の体毛を持つ野良チョコボが、敵キャラクターとしてプレイヤーたちの前に立ちはだかるのである。

 色こそ違うが、見た目はいつも通りの可愛らしいチョコボ……と思ったら、大間違い。この赤チョコボを語るうえで外せないのは、専用アビリティである「チョコメテオ」の存在である。

 時魔法「メテオ」と同様に隕石を降らせ攻撃するという技なのだが、その性能はとにかく“凶悪”の一言に尽きる。超高威力なことはもちろん、なんと射程が長く、コストがかからず、チャージがいらず、放たれると必中する……という壊れ技。

 群れで現れた赤チョコボが持ち前の脚力で一気に距離を詰め、四方八方から「チョコメテオ」を落とす姿はまさに地獄絵図……。多くのプレイヤーがその凄まじい強さに圧倒され、なすすべなくゲームオーバーへと追い込まれた。

 シリーズを通しての“マスコット”から一変、非情なまでの実力でプレイヤーを蹂躙する、あまりにも強すぎる雑魚キャラクターである。

 

 プレイヤーが行く先々で行く手を阻む“雑魚キャラクター”たちだが、なかには思わず見る者をほっこりさせてしまう、愛くるしい姿をしている者も多い。一方で、その裏に隠された“雑魚”と呼ぶにはほど遠い高すぎる実力に、痛い目を見たプレイヤーも少なくはないだろう。

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