■怖すぎる若き女性たちの戦い! 『不良少女と呼ばれて』の伊藤かずえ

 アイシャドウにパーマと当時のスケバンを前面に出しているのが、1985年から放送された『不良少女と呼ばれて』だ。

 このドラマは不良グループの「相模悪竜会」リーダーの主人公で、いとうまい子さん演じる曽我笙子が「東京流星会」との抗争を経て、リンチや中等女子少年院でのイジメを耐え抜き、非行から立ち直る壮絶な実話をもとに構成されている。

 ちなみに先述した“悪竜会”と“流星会”は悪の秘密結社などではなく、普通に不良グループのチームを指している。主人公以上にインパクトを放ったのが、伊藤かずえさん演じる“モナリザ”ことカミソリマコだ。その佇まいは、スケバンにしておくにはもったいないくらいの美少女である。

 このドラマのオープニングはとにかく激しい。笙子がとにかく鉄パイプのようなものを延々と振り回している。主題歌がMIEの「NEVER」だけに、止めないと言っているようだったな。女子少年院での陰湿なイジメも、見ていて気持ちのいいものではない。女性だけの空間ともなれば華やかそうに見えて、実は怖いということを知ったぞ。

 

 そういえば筆者が小学校時代の1980年代といえば、ピカピカの一年生だった筆者の手をつないで集団登校してくれていた高学年の女子児童たちも、数年後、何人かはスケバンに変身していた……。紹介したドラマの影響などもあったのかもしれないが、今はどうなっているのだろうか。思い出すと懐かしいな。

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