■ファミコンでもあの“二人組”が大暴れ!『ダーティペア プロジェクトエデン』

 ファミコンでは漫画やアニメ作品を題材とした“コラボ作品”も数多く登場したが、1987年にバンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売された『ダーティペア プロジェクトエデン』も、そんな有名作品とのコラボによって生まれた一作だ。

 高千穂遙氏のSF小説が原作となっており、22世紀の宇宙を舞台にさまざまなトラブルに対処する“ラブリーエンゼル”こと、別名・“ダーティペア”の女性二人が活躍する。

 ゲームはそんな“ダーティペア”の二人、ケイとユリを操作するアクションゲームで、横スクロールと迷路の2パターンのステージを進んでいく。

 体力ゲージのようなものはなく、敵や弾にぶつかると1撃で死亡するなかなかシビアなバランスだ。シンプルな作りでありながら、プレイ中に使った弾薬の数やプレイ時間でゲームクリア時のメッセージが変化するなど、いわゆる“マルチエンディング”のような要素を実現している点は芸が細かいと言えるだろう。

 そんな本作のパッケージを飾るのは、もちろんタイトルにもなっている“ダーティペア”の二人だ。強大な敵を背景にウルフカットの美女・ケイと、その相棒であるユリが銃を片手に構えている。もともと二人の格好がブーツにホットパンツ、ノースリーブに丈の短いビキニのような服……と、かなり露出度が高いことから、原作を知らないプレイヤーからすると少し戸惑ってしまうデザインかもしれない。

 余談だが二人は地肌に「ポリマー」と記述される特殊なジェルを塗っているため、ここまでの軽装でありながらある程度の防御力がある……と、きちんとした設定があったりする。

 原作の設定、姿はそのままに、ゲームの世界でも大暴れする二人の活躍を楽しめる一作だ。

 

 インターネットもまだ発達していない時代、ファミコンゲームの“パッケージ”は、作品の内容や世界観を連想させる非常に重要な要素の一つだった。子どものころ、思わずドキドキしてしまった大人びたテイストの作品も、実は先鋭的な内容や後継作との繋がりがあったりと、意外な事実が隠されているものである。

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