■ステルスゲームはここから始まった…潜入の面白さは大人受けだった? 『メタルギア』

 最後は、もはや世界中で大人気のステルスゲーム『メタルギアシリーズ』の初代作品『メタルギア』だ。1987年7月にMSX2用に発売され、同年12月にファミコンに移植された。

 同作はシリーズを通して重要な出来事となっている「アウターヘブン蜂起」が舞台だ。初代から武器は現地調達という非情さで、敵を倒すことよりもいかに見つからないように進むかがポイントだった。

 戦車を迂回しながら敵の背後に回り込み、殴り倒していくのが主流だった。敵に見つかると、マップ外から多数の敵キャラが追加で登場するのも新鮮だったな。マップを移動すると追いかけてこないのは残念だったが、それは当時の容量も関係しているのかもしれない。

 正直言うと、プレステ版をプレイするまでストーリー全般の意味が分からなかった。今でこそ「FOXHOUND」の設立も理解できるが、当時の小学生にはちょっと難しかったのではないだろうか。

 そういえば、トランシーバーで無線連絡できるのも斬新だったな。BIGBOSSから“ニンム ハ センニュウダ。クレグレ モ テキ ニ ミツカラヌ ヨウニ コウドウ シロ”などと連絡があったが、いやいやまさに敵陣のど真ん中だぞ! ちょっとは慎重に連絡してこいよ……BIGBOSS!

 それにしてもこんなゲームを1980年代に20代で登場させるなんて、やはり小島秀夫氏は天才だ。その後、筆者も当然ながら『メタルギアシリーズ』の大ファンとなっていったな。

 

 ここで紹介した3作品は、当時の小学生にとってはちょっと理解が難しかったゲームだったと思う。それだけに、年上の兄弟がいないと持っている友達は少なかったな。

 ただ、小学生向けとは思えない『火の鳥』を面白いアクションゲームとして創り出したコナミはやはりすごい。素晴らしいクリエイターたちが揃っていたのだろう。

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