40代半ばとなった筆者にとって、小学生時代はまさに“ファミコンブーム”の真っ只中だった。小学生が楽しめるソフトも多く発売されており、自宅や友人宅でたくさんのゲームに没頭したものだ。
そういえば、4つ上の兄は部活や塾の先輩から教えてもらったというソフトをよく買っていたが、なかでもコナミ(現:コナミデジタルエンタテイメント)のゲームには、小学生の筆者たちにはちょっと理解が難しかったものもあった。そこで、友達は意外と持っていなかったけれど面白かった、コナミの名作ゲームソフトを紹介しよう。
■ラストの名曲を聴くまでに力尽きたが…熱中度MAX! 『火の鳥 鳳凰編 我王の冒険』
まずは、1987年1月に発売された『火の鳥 鳳凰編 我王の冒険』だ。このゲームは、前年に公開された手塚治虫氏原作の映画『火の鳥 鳳凰編』が舞台となっている。
この映画は……というより、原作の『火の鳥』自体が壮大なテーマなのだが、小学生だった筆者にとっては、ただ“悲しそうなストーリー”という印象が強かった。大人になってから読み返し、感動したものだ。
ゲーム自体は横スクロールアクションゲームで、敵キャラをノミで攻撃し、鬼瓦を配置しながら移動する。当時としてはよく考えられたシステムで、鬼瓦をいかに工夫して配置するかがカギとなり、まさに熱中度MAXだった。
なんせ鬼瓦を駆使すれば敵の動きを抑えることができるし、隙間からノミを投げてハメ技を決めることができる。主人公は我王よりも、茜丸のほうが向いていそうな気もするが……。
難易度もそれなりに高くなっており、とくに大和ステージ3のボスの岩男は難敵だった。そして、ステージを攻略するごとに手に入る火の鳥の彫刻パーツを16個集めると、ゲームクリアとなる。
ステージが長いので、途中で諦める人も多かったと思う。筆者もその一人だったが、アクションゲームが得意だった兄がエンディングまで到達してくれた。筆者も一緒になって興奮したものだ。
そして、エンディングで火の鳥が復活すると、映画主題歌である「火の鳥」が流れる。あの名曲を聴くと、今でも我王がテントウムシを見て涙をこぼす映画のシーンが蘇ってくるな。
■和風ホラーチックな雰囲気がおどろおどろしかった…アクションゲーム『月風魔伝』
次は、1987年7月に発売された『月風魔伝』だ。地獄界から地上制覇を目論む魔王・龍骨鬼に2人の兄を殺された月風魔。月氏究極の武器である家宝の霊剣・波動剣までも奪われてしまい、風魔は兄たちの仇と家宝を取り戻すために龍骨鬼のいる地獄界で戦うというストーリーだ。
まず、このゲームはパッケージにインパクトがあった。気味悪い緑色のムカデのようなイメージの敵と対峙し、鬼の生首のような化け物が背景に見える。こんな奴らに剣1本で戦おうなんて気が知れないが、イラストの風魔はカッコよく見えたな。
ゲームはアクションゲームながら、RPGの要素もある。コンテニューもできるし、アイテムを購入することも可能だ。難易度はそれほど高くないので、無様にやられる心配はない。敵の動きを読めば、小学生でも攻略可能だった。
しかし、通常の画面と違って3Dダンジョンもなぜかあった。ここを通らないと三途の川の先にいる波動剣を持っている魔神と対決できないのだが、この3Dダンジョンがなかなか曲者だったな。先人の霊に引き返せとか言われるし……敵キャラと遭遇しても、攻撃が当たっているのか今一つ分からなかったな。
パッケージが怖かったのと、和風っぽいおどろおどろしさが全開だったこともあり、筆者のような小学生のチビッ子たちにはちょっと敬遠されたかもしれない。ファミコン全盛期に発売されただけに、ほかの作品に目移りしがちだったのも要因か。でも、プレイしたら、とても面白くハマったゲームだったな。