1990年11月21日に発売された『スーパーファミコン』は、『ファミリーコンピュータ』の後継機種として当時の少年少女たちを虜にした。もちろん、中学生になっていた筆者も例外ではない。当時はファミコンよりも断然に迫力あるグラフィックとBGM、そして大容量のゲームシステムが眩しく映り、昭和から平成になったばかりもあって新時代の幕開けを予感させられたものだ。そこで、スーファミ発売から1年以内で度肝を抜かれた作品を3つ厳選して紹介していこう。
■ゲームシステムとグラフィック、音楽も最高クラスのRPG『ファイナルファンタジー4』
もはや国民的ゲームといっても過言ではない『ファイナルファンタジー(以下FF)シリーズ』(スクウェア:現・スクウェア・エニックス)だが、スーファミの1作目は『FF4』だった。
ファミコン版の『FF3』もとてつもなく面白い作品だったが、『FF4』でスーファミになってからは重厚なストーリー性が以降のシリーズにも受け継がれていった。当初はファミコン版のイメージしかなかったので、ストーリーがとても長く感じたことを覚えている。
しかし、長く感じたからといって億劫になるものでもない。ストーリーの面白さはシリーズ最高傑作といっても良いだろう。筆者がとくに感動したのが音楽だった。戦闘シーンに入るあのテンポの良いBGMには、ノリノリになったぞ。
『FF3』でもグラフィックは素晴らしかったのだが、スーファミになったことでより鮮明になったといえる。まだまだスーファミ初期の作品だったので、のちの『FF6』と比べると見劣りするものの、当時はとても斬新に感じたものだった。
ターンバトルからアクティブタイムバトルシステムの導入なのに、なぜかボタンを連打してしまったりもしたな……。それにしても、スーファミ初期作品のなかでも屈指の名作RPGなのは間違いないだろう。
■ダークな雰囲気を演出するBGMとグラフィックがリアルだった『悪魔城ドラキュラ』
次は、1991年10月に発売された『悪魔城ドラキュラ』(コナミ:現・コナミデジタルエンタテインメント)だ。ディスクシステムで人気を博したゲームのスーファミ版で、大幅にリニューアルされている。
舞台となるトランシルヴァニアという国では百年に一度魔王が復活するのだが、それに対し、ベルモンド一族が立ちはだかって魔王を倒すというストーリーだ。
さて、このゲームはファミコン版からグラフィックの進化がとくに凄まじい。ダークな雰囲気を演出するのはもちろんながら、敵モンスターたちのリアルな動きに緊張感をたぎらせたものだ。BGMもホラーな要素を高める効果が存分にあったな。悪魔城独特の怖さをしっかりと味わえたもので、かなり怖かった。
ただ、本作ではなかなか悪魔城にたどり着けない。途中でやめてしまった人もいるのではないだろうか? ステージ中盤までは魔物の森や地下水脈など、悪魔城の周りをうろうろとし、ステージ5でやっと悪魔城の入口に入るほど。それだけボリュームが増えたということなのだろう。
それにしても主人公のシモンよ……なぜムチばかりを使用するのだ? 悪魔城に巣食うモンスターたちは、このムチでないと倒せないのだろうか……。一応、短剣や斧といった特殊攻撃も可能だが、やはり基本はムチでビシバシと敵を叩きのめす。う〜ん、リーチが短いと思うのだが。
先祖からのこだわりなのか、もう少しほかの武器も開発したらいいのに。ベルモンド一族も魔王が百年に一度復活するって分かってるなら、何か対策しろよと言いたいな。