■「死んじゃったとしても、人の記憶からは消えない存在になる」

 役への向き合い方もストイックなファイルーズは、私生活も徹底してセルフコントロールしている。

「自分で言うのもなんなんですけど、時間の使い方には自信があります(笑)。今は本当に忙しいんですが、なかなか自分が行きたいところに行けなかったり、友達と約束できなかったりするのが嫌なんですよ。 仕事も大事だけど、自分のQOLを高めることも大事にしたくて。現場と現場の合間に2時間あれば、サッと予定を入れちゃいます。行動すれば自分の見聞も広がるし、行動しなきゃよかったって思うことって、あんまりないですから」

 声優の仕事に楽しさを実感するのはどんな瞬間なのだろうか。

「街中などで、ふと自分の声が聞こえてきた時は、飛び上がるほどうれしいですね。あそこからも聞こえる、ここからも聞こえるって。あとは、知り合いが、あのアニメ見たよ、とか、 “CV:ファイルーズあい”って書いてある広告の写真を送ってきてくれたりするのもうれしいです。
 今はだいぶ慣れてはきたんですが、お仕事を始めたばかりのころの喜び度合いが減るかといわれたら、全くそんなことなくて、むしろ日増しに大きくなってきてるくらいです。私の存在が人の記憶の中に刻み込まれているなんて、すごいことですよね。いつか私が死んじゃったとしても、人の記憶からは消えない存在になれたんだなと実感できるのが、とてもうれしいです」

アナーキーは負けん気が強く口が悪い、ツンデレ熱血魔法少女。
©Magical Destroyers Committee

 声優として、人の心に残る仕事を続けているファイルーズあい。今年の目標について聞くと、「気球に乗ることです」と彼女らしい具体的な答えが返ってきた。

「私、その時の気持ちを言語化して残しておきたくて、スケジュール帳に日記とやりたいことのリストを作っているんです。気球に乗ることの他にも、つくばワンワンランドに行くとか、 大型犬を飼いたいとか、タイルがオシャレなトイレを作りたいとか(笑)。具体的に考えておくことで、こういう時にもすぐ話題に出せるし、絶対に実行しようって思えるんです。これからも、そういう小さな目標を積み重ねて叶えていって、自分自身の肥やしであったり、大切な思い出として増やしていきたいなって思っています」

 昔の“やりたいことリスト”に入っていたことは、着実に叶えてきた。声優・ファイルーズあいは、これからも一歩ずつ夢を叶えていくに違いない。

「私は、欲望のままに生きてるだけなんです。『マジデス』のアナーキーのように、好きなことを好きと言い続けて、それを実行し続けたからこそ、今の私があるんだと思います」

《プロフィール》
ファイルーズあい
7月6日生まれ。2019年、『ダンベル何キロ持てる?』の紗倉ひびき役で初主演を務める。その他、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』えりぴよ役、『プリキュア』シリーズの夏海まなつ/キュアサマー役、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』空条徐倫役、『チェンソーマン』パワー役など数々の話題作に出演。2020年には第14回声優アワードにて新人女優賞を受賞するなど高い評価を得ている。

《作品詳細》
『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』
MBS・TBS・BS-TBS“アニメイズム”枠にて、4月より放送

【Cast】
オタクヒーロー:古川 慎 
アナーキー:ファイルーズあい
ブルー:愛美
ピンク:黒沢ともよ

【Staff】
原作:MAD ミルクポット markets
原案:JUN INAGAWA
監督:博史池畠
副監督:川瀬まさお
脚本・シリーズ構成:谷村大四郎
アニメーション制作:バイブリーアニメーションスタジオ

公式ホームページ:https://magical-mad.com
公式Twitter:@magical_mad

©Magical Destroyers Committee

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