■バブル期に製作された高コストCM『ファイアーエムブレム』

 最後に1990年に発売された、『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』のCMを振り返ろう。

 ファイアーエムブレムは竜族や魔法が存在する世界で、国家間の戦争を生き抜く硬派なシミュレーションRPGだ。今なおシリーズが続く作品で、新作が発売されるたびに多くの話題を集めている。

 そんな人気作である『ファイアーエムブレム』第一作のCMは、ほとんど歌のみで視聴者に強烈な印象を残した。作中に登場する個性的な兵種に扮した人々が、薄暗い舞台上で「ファイアーエムブレム 手ごわいシミュレーション 勝ってくるぞと 勇ましく」とメインテーマをオペラ調で合唱するのだ。

 壮大な物語を予感させる曲調と豪華な衣装が視聴者の目を惹き、最後に表記された赤文字の「ロールプレイングシミュレーションの幕開け。」の言葉が、その物語のなかに飛び込みたくなるような好奇心を煽る。

 作品ごとに曲調を変え、今なお愛され続ける『ファイアーエムブレム』のメインテーマ。耳なじみの良いこの曲のみで構成されたCMが放送された時点で、人気作となるのは必然だったのかもしれない。

 

 まずは手に取ってもらおうと、とにかくインパクトが凄かったファミコンソフトのCMたち。その印象は薄れることなく視聴者の心に残り、これからも当時を振り返れる「懐かしいCM」として語り継がれていくことだろう。

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