映画やドラマに出演している人気女優のなかには、意外にも特撮作品に出演した過去を持つ人もいる。輝かしい賞を受賞するなど栄光を手にしている彼女たちだが、デビューして間もない、まさに“原石の塊”のような姿を見ることができる貴重な作品もあるのだ。そこで今回は、そんな有名女優たちが出演していた“特撮作品”をご紹介しよう。
■『ゴジラシリーズ』に出演していた長澤まさみ
第5回東宝「シンデレラ」オーディションで史上最年少の12歳でグランプリを獲得し、その後も数々の有名作品への出演経験を持つ演技派女優・長澤まさみ。実は彼女も特撮作品への出演経験がある。
長澤は2003年公開の映画『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』と、2004年公開の映画『ゴジラ FINAL WARS』で、女優・大塚千弘とともに「小美人」を演じた。小美人とは、モスラと意思疎通をはかる役目があるシャーマンのような存在で、30cmほどの小さな姿をした妖精のキャラクターだ。
「モスラの歌」でも知られる小美人だが、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』のサウンドトラックCDには長澤が大塚と歌唱した「モスラの歌」が収録されている。
当時16歳だった長澤。へそ出しのミニスカートという衣装に身を包んだ姿からは常人離れした抜群のプロポーションがよくわかり、その佇まいからすでに“売れっ子女優”の片鱗が見えていたように思う。
実際、長澤は本作に出演したあと、2004年公開の映画『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒロイン・広瀬亜紀役に抜擢され、第28回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を史上最年少で受賞。そして、『タッチ』や『涙そうそう』など立て続けに数々の映画やドラマで主演やヒロインを演じ、押しも押されぬ大女優となっていった。
■『Sh15uya』に出演していた新垣結衣
チャーミングな笑顔と、等身大の演技が魅力的な女優・新垣結衣。『江崎グリコ ポッキー』のCMでブレイクし、近年ではドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』など、多くの注目作品に出演して活躍を見せる彼女だが、デビュー作は意外にも2005年に放送された特撮テレビドラマ作品『Sh15uya』だった。作中では、キーパーソンとなる少女・エマを演じている。
渋谷のようで渋谷ではない“バーチャル世界・シブヤ”を舞台にした本作は、田﨑竜太監督や、白倉伸一郎プロデューサーをはじめとした『平成仮面ライダーシリーズ』の制作陣が集結し制作された。その完成度の高さから、現在でも根強い人気を誇っている名作ドラマだ。
『Sh15uya』が放送された当時はまだ無名だった新垣だが、作中では大きな存在感を放ち、本作をきっかけにファンになったという人も少なくない。また、このドラマでは初出演ながらワイヤーアクションをこなしており、彼女の貴重なアクションシーンを見ることができる。
さらに本作は、芳賀優里亜や弓削智久、唐橋充など、平成を代表する仮面ライダーシリーズのキャストが出演しているのも見どころだ。特撮ファンにとっては、一度で二度美味しい作品だといえるだろう。