■謎の発光ダイオードつきだった初期アイレムのソフト
ファミコンソフトの中には、なぜか発光ダイオードが付いているものもあった。ソフト前面上部に赤いランプがあり、電源を入れるとピカっと点灯するのだ。今やネタゲーの筆頭となった『スペランカー』(1985年)がそれである。
発売元であるアイレムはこの発光ダイオードを一つのウリとしており、『ジッピーレース』、『10ヤードファイト』(ともに1983年)、『スクーン』(1986年)など初期のいくつかのソフトには外箱にでかでかと「発光ダイオード付LED」と表示されている。
大人になった今では、果たして光る意味があるのだろうかと首を傾げてしまうデザインだが、ゲームソフトに謎の電球がついていて、電源を入れるとピカっと光る。そのギミックだけでも子ども心をくすぐるには十分だった。
■親ガメの背中に子ガメを差し込む「ダブルカセットシステム」
ファミコンカセットの珍品中の珍品は『なんてったって!! ベースボール』の親ガメ&子ガメの「ダブルカセット」ではないだろうか。
1990年にサン電子から発売されたこのゲーム。基本的にはオーソドックスな野球ゲームだが、メインプログラムが入った親ガメカセットをベースに、別売りの子ガメカセットを購入することで最新の選手データで遊べるという斬新なシステムを採用していた。
子ガメはちょっと小さめのファミカセのようなかわいらしい形をしており、親ガメの背中部分にあるスロットに差し込むと、今でいうキャラ追加のアップデートや、ダウンロードコンテンツのような遊び方ができる。その先見性は他に類を見ないが、残念ながら子ガメカセットは「OBオールスター」と「’91開幕版」の2本だけが発売されたのみで、“常に最新”というワケにはいかなかった。
ソフトにソフトを差す構造と、そしてかなりでかいソフトの存在感。スケルトンや金ぴかカセットのような派手な見た目ではないものの、友人の家にあったら羨ましくなってしまうようなゲームのひとつだろう。
特別な形状でなくとも、並べるだけでカラフルでテンションが上がるファミコンカセット。アナタはどんなカセットのデザインがお気に入りだっただろうか。