『スーパーマリオ』は黄色、『ドラゴンクエスト』は黒色、『ファイナルファンタジー』は白色。そしてバンダイのキャラものは角が丸くて溝が沢山ある複雑な形状をしていた。ダウンロードでゲームを購入するようになった現在とは違い、ファミコン時代のゲームはカセットソフトそのものにも個性があり、タイトルを聞いただけでそれぞれがどんな色や形をしていたか、はっきりと思い出せるという人は多いのではないだろうか。
中には並べると一際目を引くような、特殊なデザインが施されたファミコンカセットもあり、友人宅でそうした珍しいソフトを見かけると不思議と羨ましくなったもの。今回はそんなファミコン時代を振り返り、友だちにドヤ顔できた「奇抜なデザインの変わり種ソフト」をいくつか紹介したい。
■ゴージャスだった金色カセットの『ドラゴンバスター』
1983年7月に家庭用ゲーム機としてファミリーコンピュータが発売され、日本中の子どもたちがテレビゲームに夢中になった。小学生というのはとにかく本能に正直なもので、豪華に見える“金ぴか”仕様のものがみんな大好きだった。
折り紙でも色鉛筆でも、絵具でも金銀カラーは非常に希少価値の高いもので、多くの小学生はそれが使いたくてしょうがない。そんな環境で金色のファミコンソフトを持っていたらどうだろうか。当然、尊敬のまなざしで見られる。
1987年にナムコから発売となった『ドラゴンバスター』はまさにその代表例で、置いているだけでゴージャスな気分になれる、テカテカと光り輝くメタリックゴールド仕様の金ぴかソフトだった。ゲーム内容は、もともとのアーケード版と同じく横視点のアクションゲームで、ほどよい難易度が楽しめる良作。その後のアクションゲームで定番となる「2段ジャンプ」を初採用した作品とも言われており、見た目がカッコいいだけではないやり応えたっぷりのソフトだった。
■中の基板が見えるスケルトンカラーの『沙羅曼蛇』
金ぴかカラーなら折り紙にあるが、こちらはファミコンソフトでしか味わえないワクワク感がある。『ドラゴンバスター』と同じく1987年にコナミから発売となった『沙羅曼蛇』は中身が透けて見えるスケルトンカラーだった。
カセットが緑がかったクリア素材でできているので、基板が丸見えとなっている。また、『沙羅曼蛇』のタイトルや絵も、中心に控えめにデザインされているので、中の基板部分が良く見えるのだ。
中には何やら金ぴかの複雑な配線や緑の基板が見えて、とても格好良い。子どもながらに未来感を感じたデザインだった。