■リンドブルム公国の大公にして虫…『FF9』シド・ファブール9世

『FF9』は、霧の大陸にある三大王国の一つであるアレクサンドリア王国が、リンドブルム公国、ブルメシア王国を侵略するところから物語がはじまる。このリンドブルムの第11代大公が『FF9』における「シド」だ。今作のシドは、大公でありながら飛空艇の設計技師ではあるものの、おもしろい設定のため選定した。

 本来の姿は、特徴的な髭をたくわえて威厳に満ちた見た目をした35歳の男性だが、妻であるヒルダガルデ・ファブールの魔法で「ブリ虫」に姿を変えられてしまっている。このブリ虫というのは、現実世界のゴキブリをモデルにしていると言われており、民衆から大変嫌われる存在。また、治療の途中で一度カエルにもなってしまうなど、何かとネタ要員のように描かれている。

 しかし、主人公・ジタンたちをたびたび支援をしたり、アレクサンドリアからの攻撃を受けた際には降伏を宣言して民を守ったりなど、大公としての役割をきちんと果たしている。そのため、民衆から厚い支持を受けているのも忘れてはいけない彼の一面だろう。

 初登場時がブリ虫という強烈なインパクトを放っている『FF9』のシド。姿を変えられているときに話すと語尾に「ブリ」や「ケロ」がついてしまうらしく、どうにも緊張感に欠ける。しかし、序盤から重い展開が続く『FF9』の世界観を明るくしてくれている貴重な存在だといえるだろう。

 以上、『FF』シリーズにおける、個性的な役割をもったシドを振り返ったが、この他にも敵キャラとして登場するシドやイケメンすぎるシドもいる。シドの存在は、『FF』シリーズに欠かせないばかりか、シドが登場するだけでテンションが上がってしまうプレイヤーも多いだろう。

 2023年6月に発売が予定されている『FF16』で登場する「シド」こと「シドルファス・テラモーン」なる人物。一体今度の「シド」がどのような人物なのか、プレイできる日を楽しみに待ちたいところだ。

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