■生きててよかったと誰もが思ったエドガンの弟子「オーリン」
第4章で操作するマーニャとミネアの父で錬金術師だったエドガンの弟子がオーリンだ。攻略上で絶対に仲間になるNPCであり、物理面に不安のあるモンバーバラ姉妹にとって、非常に頼りになる物理アタッカー兼盾として活躍する。
敵の本拠地であるキングレオ城では、「まほうのカギ」が必要な扉も持ち前のパワーでこじ開け、脱出する際には姉妹を逃がそうと追手をたった1人で食い止めるなど、腕力と人間性を兼ね備えている。追手の手にかかり、死んだと思われていたが第5章で生きていたことが判明。
オーリンのセリフ自体はそこまで多くないのだが、マーニャから「夜の港町か……。 どうせなら かっこいい男の人と 2人きりで 来たかったわ。」とからかわれるようなセリフがあったかと思えば、生存が判明した際には「よかった……よかったよう。 生きてたんだ よかった……。」と心からのセリフが聞け、2人から慕われていることがよくわかる。
素敵な人柄のおじさんであるオーリン。なお、短編集『知られざる伝説』によると、キングレオ城で助けた女の子と結婚したようだが、未来の彼がいつまでも幸せに暮らしていることを願うばかりだ。
■世界平和を願う、心優しき旅芸人「パノン」
スタンシアラ王を笑わせ、てんくうのかぶとを入手するために仲間にすることができるのが、旅芸人のパノンだ。仲間にした直後から、お茶目で芸人らしいセリフが多く聞ける。「ギャグを言いづらい空気だなあ……。しかし 負けないぞ!」「はがねの剣に 歯がねえ ね。 これだから しろうとさんは困ります。 シャレの何たるかを わかってない」など、愉快なセリフでパーティーに明るさを与えてくれた。
しかし、パノンの真骨頂は、王を笑わせることに挑んだシーンではないだろうか。王の本当の願いを汲み取ったパノンは、ギャグではなく誠実なセリフを投げかけたのだ。長文ではあるが、王さまだけでなく、筆者も感銘を受けたので、全文紹介させていただく。
「お言葉ですが 王さま。残念ながら 私には王さまを笑わせることなど できません。ですが 私を連れてきたこの者たちなら きっと王さまを笑わせることができるはず! どうか この者たちに 天空のかぶとを お与えください! この者たちなら 世界を救い 人々が 心から笑える日を 取り戻してくれることでしょう。」
主人公たちの依頼を達成したパノンは、気ままな旅を続けると言い残し、颯爽と去っていく。PS版では移民として再会することもできるが、彼がどんな旅をしたのかを知ることはできない。面白いだけじゃない、聡明なパノン。彼の旅が穏やかであったことを願うばかりだ。
『ドラクエ4』のNPCキャラから、特に筆者の印象に残っている3人のキャラについて紹介した。この他にも『ドラクエ4』ではスコット、ロレンス、ホフマン、ルーシア、ドランがいるため、印象に残っているNPCキャラは読者によって異なるだろう。この記事を読んで、好きだったNPCキャラに思いを馳せてみるのはいかがだろうか。