『ドラゴンクエスト』には主人公の仲間になるキャラ以外にも、ゲストキャラとしてともに冒険を支えてくれるNPCが多数存在する。ストーリーを進めるために一時的に仲間にすることが必須なキャラもいれば、プレイヤーの任意で味方となるキャラもいる。彼らを仲間にすることで、冒険の難易度が格段に下がることが多いため、心強い助っ人として印象に残っている読者も多いのではないだろうか。
本日33周年を迎えた、1990年2月11日にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたシリーズ4作目『ドラゴンクエストIV 導かれしものたち』は、歴代作では2000年に発売された『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』に次いで多くのNPCキャラが登場するタイトルだった。そこで今回は『ドラクエ4』のNPCキャラから、セリフの端々から背景を知りたくなってしまう魅力的なキャラをいくつか振り返りたいと思う。
■みんなのアイドルといえば…人間になりたいホイミスライム「ホイミン」
NPCキャラとして仲間になる『ドラクエ4』だけでなく、その後の作品において、仲間モンスターシステムの搭載のきっかけとなったモンスターがホイミンだ。
ホイミンは人間になりたいという願いがあり、人間の役に立つことでその願いが叶うのではないかと期待してライアンの仲間となる。リメイク版では仲間キャラと会話できるようになったことで、ホイミンのかわいさをより知ることができるようになった。
例えば、「ライアンさんのために ぼく めいっぱい がんばるね。」「いつか 人間になるのが ぼくの昔からの 夢なんだよ。だから 人間の言葉 おぼえたの。」「悪い魔物ばかりじゃないよ。ぼくみたいな いい魔物もいっぱい いるんだよう……たぶん。」などホイミンとの多くの会話が用意されている。こうした会話を重ねるうち、ホイミンがなぜ人間になりたいのか、人間になることができるのだろうかと知りたくなってしまうだろう。
ホイミンが人間になりたかった理由は明らかにはならなかったものの、第5章でキングレオを倒したあとに街にいる吟遊詩人に話しかけると、その正体がホイミンだったことがわかる。
「さきほど ライアンさまが うれしそうに 外に出ていくのを お見かけしました。ライアンさまに どうか ぶじで 旅を続けられますよう お伝えください。そして ホイミンが とても感謝していたと……。」
この言葉に感動し、世界が平和になった後にはライアンと再会してほしいと願ったのは筆者だけではないだろう。