「なんかポケモンみたい」令和の中学生がファミコンの名作『MOTHER』をやってみたら…思わぬ場面で離脱した理由とはの画像
ファミコンソフト『MOTHER』(任天堂)
全ての写真を見る

 1989年に任天堂から発売された、名作RPGの『MOTHER』。タレントとしても活躍していたコピーライターの糸井重里が企画し、ディレクター、デザイナーとしても開発に携わっている。このゲームは仲間を集めながら敵を倒してレベルを上げていき、冒険を繰り広げる王道のRPGだ。

 中世ファンタジーという設定ではなく、現代のアメリカの街並みを再現しているのが特色だった本作。この名作RPGを、令和の子どもたちはどう思うのだろうか。筆者の中学生の長女にケンタッキーフライドチキンを買ってきてあげる条件で遊んでもらうことにした。

■仲間4人と‟こんだて”の名前を付けるところで、まず世代の違いを感じる

 このゲーム、タイトル画面で地球が回っていることに当時はびっくりしたものだ。もちろん、令和女子はびくともしないのだが。

 まずは自分と“おんなのこ”、そして“ともだち”の名前を付ける。思春期の年頃ともなれば、好きなクラスメイトの一人や二人はいるものだろう。どんな名前を付けるのだろうか。

 さっそく長女も考えるような仕草をして、名前の入力をしている。父親を前にしてなかなか言いづらいものだろうな。「それはジャニーズの子なの?」「分かった! キンプリか?」と、さりげなく聞いてみる。「何言ってんの? “あんスタ”だって今は!」長女はこっちを見ないで答える。そ、そうなのか……。

 このゲームが発売された当時は「光GENJI」が全盛期だったのにな……と心の声が漏れてしまうと「なにそれ? 紫式部?」と、長女が怪訝な顔を向けてきた。「光GENJI」を知らないことが、すでにショックだ。

 ちなみに長女が入力した名前は、主人公が「マヨイ」、“おんなのこ”が「トウリ」、“ともだち”には「スバル」と「ジュン」だった。“こんだて”には「エデン」と入れている。う〜む、分からん!

 しかも、ちょこんと横に座った幼稚園年長の次女までもが「ゆうくんは?」などと言っている。幼稚園の友達かと思ってキョトンとしている筆者を尻目に、「あんスタに出てくるトリックスターのマコトやん」と、長女のフォローが入る。誰だ……スタンド使いか!?

 名前の入力の時点で、長女と次女は『あんさんぶるスターズ!』の話題となっている。ダメだ……早くゲームを進めてもらおう。

■世界観が『ポケモン』みたい? いきなり襲ってくる敵も気にせずレベル上げをこなす長女

『MOTHER』は、スタートしてからいきなり敵に襲われる。しかも相手は電気スタンドだ。次は人形が相手となるも、長女はとくに驚きもせずに戦いをオートにして完遂していく。

 そして、外の街並みや世界観を見て「なんかポケモンみたい」と言っていた。なるほど、長男や長女は幼いころDSの『ポケットモンスター』で遊んでいたが、確かにポケモンのアニメやゲームも中世というよりかは海外の現代チックなイメージがあるな。

 そのおかげもあってか、長女は悠々とレベル上げをしていく。せっかちな長男と違って、長女はアプリ版の『ドラクエ5』でもじっくりとレベル上げをこなしていた。

「なんか楽しいかも」と、独り言のように呟いている。「そう?」と、なぜか筆者も嬉しい。これもポケモンのおかげだろう。ありがとうピカチュウ!

  1. 1
  2. 2