■地味な嫌らしさが積み重なっている最悪のダンジョン「海底の洞窟」

 ロンダルキアへの洞窟と双璧をなすといってもいい、トラウマ的なダンジョンが「海底の洞窟」です。のど元過ぎれば熱さを忘れるじゃないですが、次に挑むロンダルキアへの洞窟にトラウマを上書きされて「そうだっけ?」と思う方もいらっしゃると思いますが、海底の洞窟もかなり嫌らしいダンジョンなのです。

ファミコン版『ドラクエ2』プレイ画面より

 場所はデルコンダルの南西の海上とアクセスは良くありません。そのダンジョンの内部は大量の階段があり、正解ルートを探していくというもの。ひとつひとつしらみつぶしにしていけばいいのですが、それを阻むのが出現するモンスター。ただ強いだけでなく補助系の呪文を駆使し、さらにパペットマンやあくまのめだま、ウドラーの“ふしぎなおどり”でMPが削られると探索どころではなくなります。しらみつぶしを強要され、搦め手でプレイヤーを追い詰めて進むか戻るかを強いられる海底洞窟は、『ドラクエ2』きっての正統派の高難度ダンジョンではないでしょうか。

ファミコン版『ドラクエ2』プレイ画面より

■好奇心と恐怖心にあふれるダンジョンはRPGの華

 最後に番外編として「勇者の泉の洞窟」もピックアップしたいと思います。プレイヤーが最初に向かうダンジョンなのですが、ゲームを始めたばかりで装備もアイテムも少ない状態で、パーティを組むモンスターと戦いながら探索しなければなりません。しかし、当時は早く先に進みたいという心から、レベルも足りないのに無謀な突撃をしてやられることもしばしばありました。

ファミコン版『ドラクエ2』プレイ画面より

 ダンジョンには攻略に必要なアイテムや、強力な武器防具などが眠っている場所でもあります。どんなダンジョンなのか行ってみたい、アイテムが眠っているのか知り、手に入れてみたいという好奇心と、行く手を阻む未知にして強力なモンスターと戦い、生きて帰れるかわからないという恐怖心。この二つの心のバランスがとれたダンジョンこそRPGの面白さなのではないかと思います。『ドラクエ2』に限らず、皆さんはどんなダンジョンが一番心に残っているのか議論をぶつけてみたら面白いかもしれませんね。

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