■敵を倒す爽快感が楽しかった『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』
1986年に公開された映画『キングコング2』をゲーム化したのが、同年、コナミから発売された『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』だ。
映画のストーリーは、ニューヨークを暴れ回ったキングコング(以下“コング”)が死んでおらず、人工心臓を埋め込んで雌のコングであるレディコングの輸血によって復活する。しかし、血が交わったことによるのか、人間によって苦しめられたレディコングを助けるためにコングが怒り狂って暴れる……というもの。
ゲームでもオープニングは人工心臓がハートになっており、レディコングを助けるために起き上がる場面からスタートする。当時、映画の評価はイマイチだったようだが、ゲームでは固定画面でコングが縦横無尽に突き進むアクションゲームで面白かった。コングがジャンプして着地するたびに振動する演出は心憎い。
ライフ制だが、メーターではなく数値で“見える化”されており、敵に撃たれてもひるまないコングのような気分にさせてくれるぞ。アイテムでライフの最大値が上がり、どんどん強くなっていくのだが、映画のように踏み付けて敵をせん滅していくのは爽快感があった。
そういえば、ゲームではコングのようなキャラクターは敵側に回ることが多く見られる。でも、強大なパワーを持って銃弾にもそうひるまないコングのようなキャラは、主人公として無双ゲームにぴったりだ。新しい映画も公開されているし、若い世代にもぴったりなのだが、どこか開発してくれないだろうか……。
ちなみにゲームは「2」という表記だが、キングコングのゲーム化は1作目に当たり、あくまでも映画の「2」をゲーム化したのでこうなったようだ。ややこしい……。
いかがだったろうか。洋画をゲーム化する場合、ファンの思い入れもあるのでなかなか評価が難しいところだ。筆者的には、ここで挙げた3作品は面白かったな。
そういえば『アンタッチャブル』ではエンディングで懲役が確定したカポネが牢屋越しに映るのだが、あれがデ・ニーロだったらどんな表情だったのだろうか……。映画では円卓の外に立ち、笑顔で金属バットを手にしたシーンの表情がとくに怖かったのを覚えている。