『維新の嵐』『大航海時代』…大人になって理解が深まった!意外と勉強になった懐かしい“歴史系ファミコンソフト”4選の画像
『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(任天堂)パッケージより

 子どものころはよく分からなくても、大人になってから理解できたファミコンゲームもあるだろう。なにかと知識の糧になるのがゲームの醍醐味とも思う。

 そこで今回は、インターネットもなくて情報収集が限られたファミコン時代、意外に勉強になった懐かしいファミコンソフトを紹介していこう。

■「佐幕派」以外は新選組屯所に近づくな! 幕末の知識に役立った『維新の嵐』

 筆者の大好きだったゲームの一つに、1988年に発売された『維新の嵐』(光栄)がある(ファミコン版は1990年)。“リコエイションゲーム”と呼ばれるジャンルで、繰り返し何度でも遊べるスタイルになっていた。

 このゲームの時代設定は幕末で、プレイヤーは要人(登場人物)を説得して思想を変更させていき、同志として全国の雄藩の思想を統一するのが目的となっている。ときには斬り合い、藩兵を動かして武力討伐をするといった幕末ならではの緊張感が味わえる。ヘックス移動なので時間はかかるのだが、初見プレイはかなり面白いと思う。

 なにより、シナリオから選べる主人公たちは坂本龍馬をはじめ、桂小五郎、高杉晋作、西郷隆盛、松平容保、小栗忠順、勝海舟、近藤勇など、幕末の英雄ばかり。なかでも珍しいのが、吉田松陰と井伊直弼を選べることだろう。この時点で、すでに歴史の勉強になっている。

 思想も「尊王」「公議」「佐幕」とあり、要人たちは史実通りに自らの思想を持っている。たとえば坂本龍馬なら幕府と朝廷、雄藩が手を組む「公議派」、新選組の近藤勇は幕府中心の「佐幕派」となる。もちろん佐幕派の連中は長州藩を引き込むことができないので、思想によっては最終的に武力討伐が必要だ。

 シナリオは2本あり、シナリオ1は安政5年の6月19日から始まる。そう、これは歴史上「日米修好通商条約」が締結された日で、ここからイベントがいきなりスタートする。そして翌年は「安政の大獄」で、井伊直弼によって吉田松陰らが捕まってしまう。だが、吉田松陰を選択すると逃げ切れてしまうのが面白い。

 ちなみに公議派や尊王派の要人がシナリオ2で京都に入ると、やたら新選組に追いかけられる。筆者の高杉晋作は、出てきた相手が沖田総司で冷や汗をかいたことがある。しかも逃げた先ではなぜか岡田以蔵が向かってきて、斬り捨て御免に遭ってしまった……(バグなのか?)いずれにせよ、幕末を勉強するには最適なソフトだと思う。

■とにかく悪い大名しかいなかった…『がんばれゴエモン!からくり道中』

 1986年、コナミから発売されたのが『がんばれゴエモン!からくり道中』だ。関所を通過するためには通行手形が必要だということを、このゲームで知ったものだ。しかも、国を治めている大名たちは揃いも揃って悪人。とんでもないな……日本という国は。

 一つの国は13ステージもあり、肥後国から始まって江戸まで8カ国。全104面に至る。とてもじゃないが、そこまで体力が持たないな……。

 ちなみに一国でもクリアしたらエンディングを見られる。殿様が登場して頭を下げて謝罪するのだ。

 このゲームの“ゴエモン”は、もちろん「石川五右衛門」がモデルとなっている。当時小学生だった筆者にとって、“ゴエモン”といえばルパン三世に登場する居合の達人「石川五ェ門」だった。このゲームで、石川五右衛門が“天下の大泥棒”というのを知ったものだ。

  1. 1
  2. 2