■キレると怖いが心優しい主人公『ろくでなしBLUES』
森田まさのり氏による『ろくでなしBLUES』は、帝拳高校1年生から周囲の不良たちを撃破していく前田太尊が主人公。怒り出すとろれつが回らなくなり、それを超えると関西弁になる。ただし、感動する話には弱く涙もろい一面も。キレると怖いが、普段は心優しいのが太尊の魅力だ。
彼がプロボクサーを目指しているだけあってボクシングネタは多いのだが、ブレーンバスターやドロップキックなどプロレスネタもあって嬉しかった。
感動するエピソードも多く見られたが、筆者的には教師でボクシング部顧問の近藤真彦こと通称“マサさん”のオリンピック断念が印象的だった。
大学時代はレスリングをしていたマサさんはメダル候補になれるほどの実力だった。しかし、オリンピック代表選出の際、密かに好意を寄せていた親友の彼女が事故に遭う。彼女はAB型RH(ー)という特殊な血液で輸血ができず、命の危機にさらされていた。
同じ血液型だったマサさんは輸血すれば代表を断念するしかないというなか、「彼女には今しかないんです」という言葉を残し、誰にも事実を告げないように担当医に頼み、彼女を助けるのだ。いや、とにかく熱かった。マサさん、惚れてまうやろ……。
■小学生には刺激が強かった…『まじかる☆タルるートくん』
江川達也氏による『まじかる☆タルるートくん』は、ギャグ漫画ながら可愛いキャラクター感もあって男女問わず人気があった。
魔法使いのタルるートを偶然召喚してしまった小学生の主人公・江戸城本丸。タルるートの魔法を利用することで騒動が起こっていく……という話だ。とくにソードペンで命を吹き込むアイテムは、とても魅力的で欲しかったものだ(ただし効果は10分間のみ)。
また、クラスメイトの女子たちはお色気抜群で、とても小学生に見えなかった。本丸が思いを寄せる河合伊代奈ちゃんはもちろん、意地悪をしてくる伊知川累もどんどん可愛くなっていった。
筆者のクラスメイトたちは一様に、担任の大綾真理先生が好きだったな。ちょっと過激なシーンもあったから、当時の小学生たちには刺激が強くて赤面ものだったはず。親に隠れて見ていたぞ。
1988年といえば昭和63年、すぐに平成がはじまる。これらの作品は『ドラゴンボール』のサイヤ人編突入に伴い、平成のジャンプ黄金期を新たに支えた名作ばかりだ。もう一度読み返したくなるな……。