大石昌良が弾き語りで織りなすハートフルなライブ!/「大石昌良の弾き語りラボ2022」ライブレポートの画像
撮影:大参久人
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「大石昌良の弾き語りラボ」は、アニソン作家にしてバンドマン、そしてシンガーソングライターとしても活躍する大石昌良が定期的に開催しているワンマンライブシリーズ。「弾き語りラボ」の名の通り、弾き語りの向こう側を目指して研究を続けるというコンセプトで作り上げる、エンターテイメントショーだ。12月23日に中野サンプラザで行われたその模様をレポート!

■冒頭から、フルスロットルで弾き語る!

 全国9か所を巡る大型ツアーとなった「大石昌良の弾き語りラボ2022」。東京会場の中野サンプラザホールでの開催は3年ぶりとなった。

冒頭、軽やかなステップでステージに躍り出た大石昌良が繰り出した1曲目は『ファイヤー!』、初っ端から遠慮なしのフルスロットルでオーディエンスのハートに火を点けると、『ピエロ』へと繋げていく。今回のライブは日常会話レベルでの声援が解禁された形での開催となり、以前のようにとはいかないものの確かに同じ空間で音楽を共有する、ライブならではの生感を大切にする大石はオーディエンスに対して、「弾き語りで日本一を目指すための研究機関」という本ライブのテーマを説明していく。

メロウな雰囲気を醸し出したのは『幻想アンダーグラウンド』。ギター1本から繰り出されているとは思えない複雑なアンサンブルを奏でると、『楽園都市』を披露し、ムーディな都会の夜を演出していった。

■名曲カバーを連続披露!

長渕剛の『乾杯』を弾き語るスタンダードなフォークスタイルから、アコギを叩いてビートも刻むスラム奏法を紹介し、そうしたテクニックを駆使した楽曲『パラレルワールド』と『ボーダーライン』を華麗に爪弾く。そこからは、さらにギアを上げて『トライアングル』へ。

MCでは、「(コロナ禍になって)歌う場所がなくなってしまった、あれはキツかった。向こう一カ月の仕事も全部なくなってライブも飛んでしまって、どうしようかなと思っていた時に救ってくれたのが、自分のチャンネル(YouTubeチャンネル「大石昌良の弾き語りラボ」)だった」と振り返る。

そして、行われたのが「弾き語りリクエストコーナー」。配信ライブではコメント欄からリクエストを募っていたこの企画も、今回は会場に集うファンからのリクエストに応えるスペシャルバージョン。一人目からのリクエストのSuperfly『タマシイレボリューション』では苦戦する姿もあったが、その後、SMAPの『夜空ノムコウ』やMr.Childrenの『抱きしめたい』、サンボマスターの『ラブソング』を即興とは思えない完成度で響かせ、最後はキリンジの『エイリアンズ』まで走り抜け、ラボ本来の目的である弾き語りの研究を大いに前進させてみせた。

そこから繋いだのは『ダイヤモンド』、『オトモダチフィルム』から『君じゃなきゃダメみたい』と展開。弾き語りバージョンのスペシャルアレンジでファンから抑えきれない歓声があがるばかりだった。

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