近年はアーカイブの配信やリメイクなどレトロゲームを遊ぶことのできる機会が増え、ゲームファンにとっては嬉しい限り。だが、思い出の中で美化された記憶を頼りにプレイしてみたら、意外なほどに難易度が高くて驚いた経験はないだろうか? そう、レトロゲームの中には、ものすごく高難易度で、時には理不尽だとすら感じられるものが多く存在する。そのせいで、いわれなくクソゲーの烙印を押されたりしてしまうこともあるが、そういった激ムズポイントこそが他にはない味になっていたりもする。
そんなレトロゲームの中から、今回はファミコンおよびスーパーファミコンのRPGに対象を絞って、理不尽すぎてインパクトのある場面を3つピックアップしてみた。
■隠れた名作RPGだが難易度は理不尽!
まずは、『ドラゴンクエストIII』と前後する時期の発売だったということもあり、あまり目立たなかった悲劇のRPG、任天堂からリリースされた『銀河の三人』(ファミリーコンピュータ/1987年)だ。
もともとは『地球戦士ライーザ』というタイトルのPCゲームだったものをファミコン版として移植したもの。漫画家の永井豪によるキャラクターデザイン・パッケージアートや、当時はファンタジーが主流だったRPGにSF要素を取り入れた独自の世界観、練り込まれたゲーム性など、隠れた名作と言える出来なのだが、同作のラストダンジョンの難易度がかなり理不尽!
このダンジョンはとにかく広大で、ダメージゾーンも多い。また、敵はこちらのパーティーのレベルに合わせて強化されるので、レベルを上げてゴリ押しするということも出来なくなっている。
正攻法で攻略しようとすると、物資があっという間に尽きて、ザコ敵も倒せない状態に陥ってしまう。逃げることに徹しても、ジリ貧になってしまう。相当に運が良くないとクリアできない作りとなっていた。
そのため、メニューを開いて何歩か歩く間は敵にエンカウントしないという、仕様の隙を突くような裏技的な手段が、ユーザーの間に広まることとなった。
そうした数々の理不尽要素を潜り抜けた末にたどり着くラストには、凄まじいどんでん返しが……! ここでは語らないが、まさに衝撃の結末となっているので、気になる人はぜひプレイしてみてほしい。幸い、ゲーム自体の難しさほどには、ソフトの入手難易度は高くない。ラストシーンの衝撃は、道中の辛さと相まって、記憶に強く焼きつくこと請け合いだ。