■ハメ技と騙し合いが今でも最高!『スパイvsスパイ』

 かなり熱中していたので、料理好きな筆者はお手製の「だし巻き卵」をおやつ替わりに作ってあげたのだが、まさかの「ご飯」を要求されてしまった。まだ16時だが、腹が減るほど集中していたようなので、生姜焼きも用意してあげることに。息子も友人もご満悦だが、おかずの取り合いが始まった。食欲は息子に軍配が上がるも、ここまでのゲーム対決は友人が一歩リードしている。

 一息つき、最後は1986年に発売された『スパイvsスパイ』(ケムコ(KEMCO))をプレイした2人。これは“隠れた名作”としてファンに愛されているゲームだ。

 上下に分割された画面で、黒と白のスーツのスパイが騙し合いをしながらアイテムを手に入れていく。カバンと4つのアイテムを入手しなければならない。

 マップが広すぎると面倒なので、最初はレベル1で勝負させる。このゲームは自分でアイテムを探しながら罠を仕掛けていき、なおかつ相手の画面も見ながらどこに隠しているのかを把握しなければならない。

 息子が白(上画面)、友人が黒(下画面)でプレイスタートだ。息子がさっそくアイテムを見つけてスプリングの罠を仕掛ける。友人は気付かずにアイテム散策だ。しばらくすると、白スパイがいる部屋に上から黒スパイが入ってきた。

 互いに出会ってバトルになってしまい、体力が減らないうちに黒スパイが右隣の部屋へ逃げ込んだ。「逃げたな!」と息子が勝ち誇って回り込もうと上の部屋に移動したら、白スパイの顔が青くなる。なんと爆弾が仕掛けられていたのだ。おお!上手い。さすが機械科(違うか)。

 最終的に黒スパイはすべてのアイテムを手に入れて、飛行機での逃亡に成功していた。ボタン連打の2作品を遊んだあとの頭脳戦なので、ここへきてまた熱中度が上がっている。実は対決するのは広すぎるマップにするよりも、狭いほうが楽しかったりする。2人とも、大変夢中になって遊んでいた。

 

 気が付けば3時間もファミコンで対決していた息子とその友人。筆者が感想を聞くと、友人は『スパイvsスパイ』が一番面白かったらしい。なるほど、令和の高校生でもファミコンの名作対決は楽しめるようだ。ちなみに息子がその後に食したのは”生姜焼き”。「おいおい」と、友人も笑っていた。

 ファミコンにしても生姜焼きにしても、昭和・令和で子どもが夢中になるものに大きな違いはないのかもしれない。

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