
7月22には『ライブ・ア・ライブ』のHD-2Dリメイク版が発売され、そして11月11日には『タクティクスオウガ』のリメイク『タクティクスオウガ リボーン』が発売。今年の夏から秋にかけて、スーパーファミコン成熟期の名作が次々とリリースされ話題となりました。これらにも勝るとも劣らない作品が、いよいよ11月30日に発売されます。それがシミュレーションRPGの名作『フロントミッション ザ・ファースト:リメイク(1st)』です。

今年の2月に配信されたNintendo Directで、Nintendo Switchでの発売が発表されて以降、2022年夏発売から11月発売に変更になったぐらいで音沙汰はほとんどなし。東京ゲームショウでも特に発表らしいものはなく、スクウェア・エニックスの公式生配信で『フロントミッション』の名はあったものの、ゲームではなくプラモデル『フロントミッション ストラクチャーアーツ』の番組で(これはこれで面白い番組で良かった)やきもきしつつも、先日発売日が公開されて一安心でした。
まあ、確かに『ガンダム』シリーズを除けばロボットものはマイナージャンルかもしれませんが、メカ心をくすぐる『フロントミッション』がひっそりと埋もれるのももったいない。そこで今回は『フロントミッション』のイイところを紹介したいと思います。
■現実の冷戦をモチーフに世界国家の思惑が絡むストーリー
『フロントミッション』は、冷戦構造から少し進んだ巨大国家間の政治と戦争を描いたシリーズ。ニューコンチネント合衆国(U.S.N.)、オシアナ共同連合(O.C.U.)、ザーフトラ共和国、大漢中人民共和国、ヨーロッパ共同体(E.C.)の5つの勢力に分かれ、それぞれ政治や武力を武器にパワーゲームを繰り広げているという設定です。

11月30日に発売される『リメイク(1st)』の舞台となるのは2090年のハフマン島。O.C.U.の大尉でエースパイロットでもあった主人公のロイドは、この島でその地位と恋人を失い、その後、勃発した第二次ハフマン紛争にて傭兵として戦っていくというストーリー。表向きはU.S.N.とO.C.Uの紛争ながらも、経済格差や宗教的な対立、エネルギー争奪戦など多様な勢力間の確執が根底にあります。そんな政治的な駆け引きが繰り広げられるシナリオも本シリーズの魅力のひとつです。『フロントミッション』といえば「カレンデバイス」が枕詞のように出てくる人も多いと思いますが、せっかくなので本来のストーリーも思い出してもらえれば幸いです。
