■「あらいけませんわ。主人が帰ってきますわ」

 こちらは『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』より、漁師の妻の寝言。夜にポートセルミを訪ねると漁師の夫から「オレは船乗りだからよ いったん漁に出るとなかなか帰れないんだ」というセリフを聞くことができる。どうやら長い間家を空けることを申し訳なく思っているようで、寝ている妻について、「うちのやつは文句ひとつ言わねえ。オレにはすぎた女房だよ」と話してくれる。

 思いあっている夫婦のように見えるが、続けて妻に話しかけると「あらいけませんわ。主人が帰ってきますわ。むにゃむにゃ…」なんて寝言を聞くことができる。

 この寝言は、漁に出た夫の帰りをつつましく待っている妻の言葉なのか、それとも別の男性への言葉なのか……。闇深さを感じられるセリフになっている。

■「その娘はすげえ美人だったんだろ。きっと大事にされたにちがいねえぜ、ヒヒヒ」

 こちらは『ドラゴンクエストVI 幻の大地』より、主人公パーティのひとりであるミレーユの過去が垣間見えるギンドロ組の男のセリフ。ガンディーノの街ではかつてギンドロ組が幅を利かせており、さらってきた美しい女性を王様に献上することで悪事を広げてきた。どうやらさらわれた女性のひとりが、かつてのミレーユだったようで、詳しくは明かされないながらも彼らひとりひとりから話を聞くことで彼女に壮絶な過去があったことが分かるようになっている。

 ガンディーノではこの他にも、ミレーユが皇后の嫉妬から地下牢送りにあったことや、実際に地下牢で彼女の姿を見ていたという老人の話を聞くことができる。ミレーユをパーティに入れていても彼女の口からは何も語られることはないが、悲惨な出来事があったのは確かだろう。

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