■ふだんはクールでも頼られたら弱い?

 序盤の「朱雀編」で、幽助、桑原、蔵馬、飛影の4名は初めて共同戦線をはることに。蔵馬は「社会復帰のための奉仕活動」と説明していたが、飛影は四聖獣が盗んだ宝や妖具に興味があり「貴様らに協力する気なんか全くないからな」と言い放った。

 こうして四聖獣のアジトである迷宮城に侵入した4名は、「裏切りの門」の審判を受けることに。下がってきた天井に押しつぶされそうになった4名がこの状態を脱するには、少し離れたところにある門を操作するレバーを動かさなければならない。

 4人で支えられるギリギリの重圧がかかる中、1人が裏切って逃げれば、残りの者が天井につぶされてしまう。そんな極限状態で、幽助は「やつのそばにある、あのレバーを上げてくれ!」「この中で一番すばやいのは、飛影おめーだ」と飛影に重要な役割を託した。

 過去に苦汁を舐めた相手にもかかわらず、「まかせたぜ」と全幅の信頼を寄せる幽助。この時点の飛影をそこまで信じる幽助の器も大きいが、その期待に困惑しながらも、頼られたら応えてしまう飛影の姿に兄らしさを感じずにはいられない。

 無事に門の降下を停止させた飛影は幽助から礼を言われると「別に貴様らを助けたわけじゃない!! かんちがいするな」と反応。そのときの飛影の表情が若干緩んでいたのもポイントだ。ふだんは素っ気なくても、いざ助けを求められたら全力で応えてしまうのはお兄ちゃんのサガに違いない。

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