マンガ、アニメ、ゲームにかかわらず、作品のヒロインは重要な役割を果たす存在だ。少年マンガなどに登場する個性豊かなヒロインに憧れた経験のある読者は、たくさんいることだろう。
しかし、作品によっては「メインヒロインなのにサブキャラより目立たない」「いつの間にか影が薄くなった」「たまに存在を忘れられる」……などなど、本来は主人公と並んで目立つはずのヒロインが、なぜか不憫な扱いを受けてしまうケースも見受けられる。そこで今回は、そんな不遇な扱いを受けてしまったヒロインたちについて紹介していこう。
■お留守番しがちなメインヒロイン『とある魔術の禁書目録』インデックス
『とある魔術の禁書目録』は鎌池和馬氏によるライトノベルシリーズ。科学(SF)と魔術(ファンタジー)を融合させた独特の世界観が話題を呼び、『とある科学の超電磁砲』をはじめとしたスピンオフ作品も多数制作されている。「禁書目録」も「超電磁砲」も数期にわたるアニメ化を果たしたほどの人気シリーズだ。
本作のメインヒロインは銀髪のシスター・インデックス。タイトルにも「禁書目録(インデックス)」という言葉が入っている通り、正真正銘のヒロインだ。……にもかかわらず、物語が進むごとに出番がどんどん減っていってしまうという可哀想な立場にある。
これには彼女が「魔術サイド」の人間ということも関係しているだろう。本作のストーリーは基本的に「科学サイド」の学園都市を軸に展開されていく。それに、そもそもインデックスは戦闘で活躍するタイプではないため、主人公・上条当麻の家でお留守番をしていることがほとんどなのだ。そのため戦闘メインの回では、科学サイドのヒロインにあたる御坂美琴のほうが目立ってしまうのも無理はない。さらに物語が進むたびに新キャラが増え、本来彼女が担っていたはずの役割を奪われることもしばしば。
しかし、彼女の出番が少ないのは事実とはいえ、メインヒロインとしての見せ場はしっかりと持っていく印象もある。なんだかんだ言ってもヒロインはこの子なんだな、と納得させられる妙な安定感があるのだ。空気になりがちなせいで一部の読者・視聴者からは「インなんとかさん」などとイジられることもある彼女だが、結局のところメインヒロインなのは間違いない。