『DEATH NOTE』夜神月から『マギ』の小悪党まで…少年マンガ読者に衝撃を与えた「救いようのない悪役」3選 許しがたい悪行にドン引き…の画像
少年サンデーコミックス『マギ』(小学館)第1巻・書影より

 少年漫画には数多くの悪役が登場する。しかし悪役と一口に言っても、最期まで自分の在り方を貫くカッコいい悪もいれば、ひたすら残酷なだけの外道や、すぐに弱さが露呈する小物もいる。

 今回はそんな多種多様な悪役の中から、とくに“改心の余地がない”と個人的に感じた3名をピックアップ。ラスボスから小物まで悪役としてのスケールはさまざまだが、なかなかに胸クソの悪くなるキャラクターたちが集まった。

■“パワハラ会議”でも話題に!? 『鬼滅の刃』鬼舞辻無惨

 まず最初に紹介するのは『鬼滅の刃』に登場する鬼舞辻無惨。主人公たちが敵対する人食い鬼を率いるリーダーで、言わずと知れた極悪キャラだ。

 彼は自分1人が“完璧な生物”になることを目指しており、そのためなら配下の鬼たちがどうなろうと関係ないと思っている。とにかく自己中心的な性格の上に短気なため、少しでも気に食わないことがあると敵・味方関係なく大した理由もなしに殺害してしまうこともしばしば。彼の外道っぷりは、あの優しい炭治郎でさえ「お前は存在してはいけない生き物だ」と吐き捨てたほどだ。

 そして無惨の残忍さを示すエピソードとして挙げられるのが、手下の鬼を集めて行われた通称“パワハラ会議”である。基本、この会議で手下の鬼たちは発言を許されておらず、答えたとしても無惨が気に食わない発言だと即刻処刑されてしまう。

 しかも無惨の質問に「いいえ」と答えた者は「自分の言葉を否定したから」、強くなるために血を求めた者は「自分に指図したから」という理不尽すぎる理由で殺されている。かと思えば、突然正論を振りかざしてキツく責め立てることもあり、現実でいえばブラック企業のパワハラ上司そのものだ。

 恐怖と圧倒的な強さだけで鬼たちを支配し、カリスマ性も乏しいため、鬼たちも一部の物好きを除いて、表面上でしか彼のことを慕っていない。嫌われ役としてはこれ以上ないくらいの極悪なキャラクターである。

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