■90%が『ジョジョ』ネタ?平成を駆け抜けたパロディ漫画『太臓もて王サーガ』

 次に紹介するのは平成時代の『ジャンプ』より、2005年から約2年にわたって連載された大亜門氏による『太臓もて王(キング)サーガ』。女の子にモテるために魔界ならぬ間界からやってきた王子・太臓を中心としたギャグ漫画だ。

 同作では同時期連載作品をネタとして使うというパターンが多く、元ネタが掲載された数週間後に『もて王』でパロディにされるというケースもあった。たとえば、『To LOVEる-とらぶる-』で唯がクリーム衣装にされた回が掲載されたら、その後には『もて王』でもう一人の主人公・阿久津宏海が同じような姿になったり、『BLEACH』でルキアが磔になったシーンも太臓にすぐにパロディにされていた。

『ジャンプ』のみならず、アニメや他誌など多くのパロディを取り入れた『もて王』だが、その90%以上がジョジョネタであることでもおなじみ。たとえば、麻仁温子は髪形を空条徐倫と同じにしており、彼女が登場する回はジョジョネタがいつにも増して多かった。

 こうしたジョジョ愛が読者にも浸透し過ぎた結果、カオスとなったのが誌上で行われた人気投票である。1位は当作の阿久津が死守するも、9位を射止めたのはジョジョ第3部主人公の空条承太郎だった。ちなみに、13位にランキングしたのは第5部の敵である「プロシュート兄貴」で、彼をランクインさせるためにハガキを100枚出した猛者がいたとか。『ジョジョ』だらけな投票結果に、作者もおそらく「燃え尽きるほどヒート」だったに違いない。

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