■ディスコとタキシード仮面の意外な関係
また、『東京カレンダー』のインタビューでは、うさぎの彼氏・地場衛ことタキシード仮面の発想がディスコの“黒服”であることが小佐野氏によって語られていた。
黒服とはディスコの従業員のなかでも役職があるスタッフのことで、黒いスーツ着用が当時の定番スタイルだった。ディスコが多く集まる六本木にほど近い麻布十番周辺では、黒服たちが商店街を闊歩していたという。
また、地場衛は原作とアニメで設定にやや違いはあるものの、私立元麻布高校出身という設定。おそらく、港区元麻布に位置する都内有数のエリート校・麻布高校がモデルと考えられる。
彼はアニメ版では東西大学(おそらく東京大学がモデル)、原作ではKO大学(おそらく慶応義塾大学がモデル)に進学し、その後ハーバード大学に留学するというお手本のようなエリート街道を歩んでいる。生活も優雅そのもので、彼自身でアルバイトをした稼ぎと事故で亡くなった両親の遺産があって金銭的に恵まれている。生粋の港区麻布十番育ちでキラキラ女子の申し子・月野うさぎの彼氏として納得がいくセレブぶりだと言えるだろう。
一方で、うさぎは古代の月の王国のプリンセス・セレニティ、地場衛は古代の地球の王国の第一王子、プリンス・エンディミオンの生まれ変わりであることを考慮すれば、ふたりがセレブなのも当然の帰結かもしれない。
六本木ミュージアムで開催されている「美少女戦士セーラームーンミュージアム」を訪れたあとは、セーラー戦士やタキシード仮面が暮らしていた街・麻布十番周辺を歩いてみると、彼らがぐっと身近な存在に感じられること間違いない。