■テッポウオ→オクタン

 次に紹介したいのは、『ポケモン 金・銀』から登場した“ふんしゃポケモン”の「テッポウオ」。現実世界にも口から水を発射して、水面の葉っぱの上などに止まった虫を撃ち落として食べるテッポウウオという魚がいる。

 ポケモンのテッポウオの丸いお尻には尾ヒレがないものの、大きな背ビレと尻ビレがあるので、やはり魚っぽい見た目。真横から見ると、拳銃のようなシルエットにも見える。

 ところが、テッポウオから「オクタン」というポケモンに進化すると、どこからどう見てもタコのような見た目に変化。共通するのは“ふんしゃポケモン”という部分だけで、魚からタコに変わったときには、なんとも言えない気分になった。なぜあのような進化を遂げるのか、いまだに不思議だ。

■コイキング→ギャラドス

 最後に紹介するのは『ポケモン 赤・緑』から登場する「コイキング」。“キング”の名が示す通り、王冠のような黄色のヒレが特徴的な“さかなポケモン”。ただし、鯉というより鯛のような見た目をしているのが特徴だ。

 レベルが低いうちは「はねる」というまったく意味のない技しか使えず、ポケモン図鑑にも「せかいでいちばんよわくてなさけないポケモン」という身も蓋もないコメントが記されているほどである。

 しかし「ギャラドス」に進化を遂げると、一気に強力なポケモンに。その姿は竜のようなイカツイ見た目になり、ドラゴンタイプの技も使うことができるようになる。我慢して育てた人へのご褒美のような急成長をしてくれるポケモンだ。

 立身出世を意味する「鯉の滝登り」という言葉があるように、急流のある竜門をくぐり抜けた鯉が竜に成ったという中国の故事が元になっていると思われる。


 このように、時にはプレイヤーの想像もつかないような劇的な進化を見せてくれるポケモンたち。進化前との数少ない共通点や、姿が変わる理由などを探るのも面白かった。最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で出会える新しいポケモンたちがどのような進化を見せてくれるのか、楽しみでならない。

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