■白鳥沢学園高校2年生・白布賢二郎「誰よりも目立たないセッターに俺は成る」
春の高校バレー宮城県大会決勝戦。烏野高校と絶対王者・白鳥沢学園高校の試合が行われた。白鳥沢の攻撃は、圧倒的高さとパワーを武器とする超高校級エース・牛島若利のスパイクを主軸とした、シンプルで強力な戦術をとる。このチームのセッターが白布賢二郎だった。
「あんな攻撃(早いセットアップからの速攻)には目がくらむ 華やかなセッターにも憧れる でも俺にとっての一番カッコイイバレーはこれだ」
白布の放つミスの少ないシンプルな高いトスは、牛島が「いつも通り」を存分に発揮するための土台となる。それは同校監督の鷲匠先生いわく「『どうだ うちのエースを見よ』と強烈に主張するセットアップ」。
強豪校ゆえスポーツ推薦入学者がほとんどの中、中学時代に牛島のプレーに魅せられた白布は、部内で唯一超難関の一般入試を突破してきた。もともとはガンガン速攻を使うタイプのセッターだった白布だが、強い世界に飛び込み、自らの役割を全うする彼の決意は揺るがない。
「誰よりも目立たないセッターに俺は成る」
信頼も忠義も献身も、圧倒的強さをひときわ輝かせる。堅実に確実に自分の仕事を遂行することは、チームの安定の基盤を作るのではないだろうか。自分の信じる「強い」場所で、使命を果たすことを徹底したい。