『ハイキュー!!』セッターに学ぶ“仕事人の心得”! 影山、及川、白布…社会人にも響く名セリフ3選の画像
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 2012年2月から2020年7月まで『週刊少年ジャンプ』で連載された古舘春一氏のバレーボール漫画『ハイキュー!!』が今年で10周年を迎えた。

 4月25日に発売された『ジャンプ』では周年を記念して、主人公・日向翔陽たちの2022年の姿が読み切りとして描かれ、公式ツイッターではキャラクターたちが大人になった姿を描き下ろしたイラストが続々と公開された。連載が終了して約2年がたった今、再び『ハイキュー!!』が盛り上がりを見せている。

 心に響くストーリー展開の中で、魅力的なセリフが数多く登場した同作。作者の古舘春一氏は過去のインタビューでセリフについて「シンプルな言葉がかっこいいというのを意識しています」と語っているが、たしかにいずれのセリフも難しくなく、だからこそスッと読者の心に入り込み、そして長く残り続ける。

 さまざまなポジションに名物キャラが登場したが、あらためて読み返すと「セッター」を務めた彼らのセリフに“仕事人”として見習うべきセリフが多かったように思う。

 守りと攻撃の中継役として、ひたすらチームのためにネット下からトスをあげる、この「セッター」というポジション。今回は日常生活でもチーム仕事に活かせそうな、『ハイキュー!!』セッターたちの名セリフをいくつか振り返ってみたい。

■烏野高校1年生・影山飛雄「スパイカーの前の壁を切り開く その為のセッターだ」

 まずは、主人公・日向翔陽の相棒・影山飛雄のセリフから。

 入部直後、新入部員も交えて部内で3対3の試合が行われた。抜群の運動能力を誇るものの身長が低い日向は、スパイクを敵ブロックにことごとく止められてしまう。打つ術なしかと思われたそのとき、影山はこのセリフを言い放つ。

「スパイカーの前の壁を切り開く その為のセッターだ」

 これには、スパイカーに最高のトスを供給してみせるという影山の覚悟が感じられる。

 コート上の司令塔とも言われるセッターの采配は、チームの戦略に直結する。影山は全体の動きを冷静に判断し、ずば抜けたセンスと精密なボールコントロールで敵のわずかな隙をつく。日向の持っていた「反射神経」という最大の長所を活かした影山のボール運びが、スパイカーの打つべき道筋を照らし出し、見事相手コートにボールを叩き込むことに成功したのだった。

 自身の行動で他の誰かの輝く場が切り開けたとき、それが結果として、チームの行く末を決定づける一手になるかもしれない。仕事仲間、取引相手、市場の動向……。すべての盤面を読み、チームの可能性を照らす鋭いトスを上げるというのは、最高に「難しくてかっこよくて面白い(by影山)」仕事なのではないだろうか。

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