■圧倒的な武で将軍たちを葬ったホウ煖

 極めつきは、やはり“我武神也”と自認するホウ煖と言わざるを得ないだろう。いつも突然現れると、有無を言わさず巨大な矛をぶん回し、その場にいるすべてをなで斬りにしてしまう。まるで天災のような存在なのだが、求道者らしいボロボロの衣から垣間見えるホウ煖の二の腕は、何度も対峙した主人公・信の胴体ほどもあるから恐ろしい。

 その上腕から放たれる矛の一撃一撃がまるでムチのようにしなっている描写からも、ホウ煖の常軌を逸した腕力がうかがい知れるというものだ。『キングダム』の筋肉カーストにおいてトップクラスに君臨する存在と言っても過言ではないだろう。

 しかし忘れてならないのは、そのホウ煖の腕をへし折った“怪物”がいることだ。秦の大将軍・ヒョウ公である。

「合従軍編」で一騎打ちとなり圧倒的な武の前に力尽きたが、最後にホウ煖の左腕を抱え込むと、「では腕(この)くらいにまけてやるかのォ」と肘の関節から“ボギ”と折ったのだ。服に隠れて見えないが、ヒョウ公将軍の上腕筋も相当なものだろう。

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 2022年7月15日に公開される実写映画の続編『キングダム2 遥かなる大地へ』では、俳優の豊川悦司がヒョウ公将軍を演じる。どんなマッチョぶりを見せてくれるのか、楽しみにしたい。

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