■自らを「最強」と豪語する“楚の巨人”汗明
5カ国が秦に攻め込んだ「合従軍編」で、楚軍の総大将を務めた汗明の筋肉も凄まじかった。馬上で組んだ腕は丸太のごとく太く、秦国一の猛将といわれる蒙武の二の腕でさえ細く見えるほど。
“楚の巨人”と呼ばれるだけあって汗明のパワーは圧倒的で、鎖でつないだ巨大な分銅を高速で振り回して放り投げたかと思えば、「大錘(だいすい)」なる鋼鉄の大棍棒を蒙武の頭上から強烈に叩きつけ、軽々と落馬させてしまうのである。
そして、その後のセリフがすごい。「思ったより軽かったが落胆することはないぞ」「この汗明は失望はせぬ」「もはや自分が最強であることを知っているからだ」——。
その汗明と一騎打ちを繰り広げた蒙武もまた、死闘のさなかに“筋肉覚醒”する。「北斗の拳」さながらに、力を込めた上腕筋で服をビリビリに引き裂いてしまうのだ。