■大切な仲間を1人で死なせたくない想い
幽助と桑原にさんざん毒を吐き、ツンデレセリフを残しながら徐々に仲間としての絆を深めていった飛影。それが確固たるものとなったのは、魔界の扉編での仙水忍と幽助の一騎打ちの場面だろう。
飛影、蔵馬、桑原の3人は、仙水の相棒である樹によって亜空間に閉じ込められてしまう。仙水と幽助の戦いを見ているだけの3人だったが、本気を出した仙水の強さを前に、幽助は敗色濃厚だった。そこで飛影は樹に言う。
「今すぐオレ達をここから出せ」
「どうせ死ぬなら戦って死ぬ。あいつとな」
初登場時の飛影からは想像もできないようなこのセリフ。このあとのコマで蔵馬も「四対一…幽助は怒るかもしれないが、オレは四人のうち誰が欠けてもいやだ」と言っており、同じように幽助とともに戦う決意をしていたようだが、実は2人とも戦うのではなく幽助を逃がそうとしていた。それを瞬時に樹に読まれて作戦は失敗に終わるが、命に変えても仲間を助けようとした飛影による屈指の名言のひとつだろう。