残念ながらメダルは逃してしまったものの、世界初の4回転半ジャンプに挑戦し、北京五輪を大いに沸かせたフィギュアスケート男子の羽生結弦選手(27)。かねてから大のゲーム好きとしても知られる羽生選手ですが、先日テレビ番組でのインタビューの中でゲームに関する質問に回答しました。
最近は『どうぶつの森』などを遊んでいると答えた羽生選手。そのあと「一番ゲームとして好きなのは……」と前置きして紹介したのは、まさかのスーパーファミコンのソフト。『平成 新・鬼ヶ島』と『エストポリス伝記II』という2作品を挙げると、そのゲームタイトルがTwitterのトレンドに入るほどの衝撃を日本中のレトロゲームファンに与えました。
個人的には1994年生まれの羽生選手が、どういう経緯で1995年発売の『エストポリス伝記II』と、1997年発売の『平成 新・鬼ヶ島』を好きになったのか興味深いところですがそれはさておき、この2本のスーファミソフトがどういうゲームだったのかをあらためてご紹介したいと思います。
■昔話がギュッと詰まった『平成 新・鬼ヶ島』
スーパーファミコン用ソフト『平成 新・鬼ヶ島』は、1997年12月にニンテンドウパワー用ソフトとしてリリース、1988年5月にロムカセットで発売されたアドベンチャーゲーム。1987年にファミコンのディスクシステムで発売された『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』。そしてBSアナログ放送を使ったスーパーファミコン向け衛星データサービス「サテラビュー」で配信された『BS新・鬼ヶ島』などが収録されたのが『平成 新・鬼ヶ島』なのです。
『新・鬼ヶ島』は、「桃太郎」「かぐや姫」「浦島太郎」「花咲爺さん」といった日本の昔話のテイストがふんだんに盛りこまれた純和風アドベンチャーゲーム。主人公である男の子と女の子が、自分たちを育ててくれたおじいさんとおばあさんを救うために旅立ち、犬(りんご)、猿(まつのすけ)、キジ(おはな)といった仲間たちを加え、龍を封印するというストーリーです。
画面のウィンドウが巻物や掛け軸を模していて、まるで絵本を読んでいるかのような独特のプレイ感覚。随所から作り手の優しさが感じられるゲームでした。
ゲームの謎解きの部分は一般的なアドベンチャーゲームのように画面を調べたりするだけでなく、「ひとかえる」コマンドで操作するキャラクターを男の子から女の子(もしくはその逆)に交代することが可能。それによって新たな道が開くこともある画期的なシステムが盛りこまれていたのも印象的です。
ちなみに『BS新・鬼ヶ島』は本編のスピンオフ作品で、仲間になるりんごとまつのすけ、おはなの物語が語られます。スーファミの『平成 新・鬼ヶ島』にはそれらのリメイク版が収録されていました。
『平成 新・鬼ヶ島』は、ファミコンのオリジナル版『新・鬼ヶ島』と同様に前・後編が発売。いきなり後半から遊んでも問題はありませんが、より深く『新・鬼ヶ島』のストーリーを楽しみたいなら、前編から順に遊ぶのがベストかもしれません。