2022年初頭、平安時代から鎌倉時代への変遷を描いた複数の作品がテレビにてスタート。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)では源氏側、アニメ『平家物語』(フジテレビ系)では平家側と、異なる視点で同じ時代が語られ、どちらも面白く視聴している筆者の中ではプチ源平ブームが到来中です。
こうした源平の物語に触れているとトラウマのごとく深く心に刻まれた、あるゲームを思い出さずにはいられません。「祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響あり 娑羅双樹の花の色 盛者必衰のことわりをあらわす」(ゲーム内表記に準拠)という、鎌倉時代に書かれた「平家物語」冒頭の一文から始まるアーケードゲーム『源平討魔伝』(ナムコ)です。
■義経や弁慶とチャンバラバトル!
1986年10月1日にリリースされた『源平討魔伝』は、魔族に魂を売り渡して闇の力を得た源頼朝を倒すため、地獄からよみがえった平景清が、いくつもの国(ステージ)を越えて鎌倉を目指すアクションゲーム。
昨年、プレステ4とNintendo Switchのアーケードアーカイブス(株式会社ハムスター)にて本作がリリース。私もこれで数十年ぶりにプレイしてみましたが、美しいグラフィックスと衝撃的なサウンドに懐かしさがよみがえる一方、現在でも色あせない強烈な個性を再認識しました。
本作は一般的なアクションゲームのような横画面のモードだけでなく、迷路状の広いマップを攻略する俯瞰視点の平面モード、そして弁慶や義経といったボス敵との一騎打ちの剣戟が見どころのビッグモードの3タイプの戦いが楽しめます。
とくにビッグモードでは、敵だけでなく主人公の景清も巨大になり、和テイストに描写された美しいグラフィックも相まって迫力満点のバトルが展開。1986年当時のアーケードゲームの中でも飛び抜けたインパクトがあり、ゲームセンターに集まった多くのゲームファンを魅了しました。